フィリピンで「涼しく過ごせる場所」を探しているなら、標高約1,500 mの高地に位置する バギオ は理想的な選択です。年間平均気温20℃前後で、熱帯地域ならではの蒸し暑さや強烈な日差しとは無縁。さらに乾季・雨季の特徴、服装の準備からベストシーズン、留学・観光利用のポイントまで、避暑地として知っておくべき情報を一挙に解説します。
バギオの気候の最大の特徴|フィリピンで唯一涼しい都市
バギオの天気の最大の特徴は、標高約1,500メートルの高地に位置することにより、熱帯のフィリピンにありながら年間を通じて冷涼な気候が続く点です。日中は20℃前後の穏やかな気温で、朝晩は肌寒さを感じることもあります。
年間の平均気温が20℃前後と常夏のフィリピンでは唯一エアコンがなくても涼しく過ごせる地域です。
バギオが「フィリピンの夏の首都」と呼ばれる理由
3-5月は政府機関がバギオに移転することから「サマーキャピタル」とも呼ばれています。マニラやセブが暑い時期に、政府高官がバギオに避暑に来ることから、この愛称がつきました。
バギオの年間気温
月別平均気温
1年を通して、気温は13°Cから24°Cに変化しますが、11°C未満または26°Cを超えることは滅多にありません。
バギオでは平均最高気温は22度~25度程度で、最低気温でも13度~16度程度と年間を通して安定しているのが特徴です。年間平均気温は19℃ほど。日本のような大きな気温の差はなく、年間通してほぼ一定の気温となっています。日本でいうところの春もしくは秋のような過ごしやすい季節がずっと続くと思っていただけると良いかと思います。
| 月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 22~23℃ | 12~13℃ | 最も寒い月 |
| 2月 | 23℃ | 13℃ | 寒さのピーク |
| 3月 | 24℃ | 14℃ | 徐々に暖かく |
| 4月 | 25℃ | 15℃ | 最も暖かい月 |
| 5月 | 25℃ | 16℃ | 暑さのピーク |
| 6月 | 23℃ | 16℃ | 雨季開始 |
| 7月 | 22℃ | 16℃ | 雨が多い |
| 8月 | 22℃ | 16℃ | 最も雨が多い |
| 9月 | 22℃ | 16℃ | 雨季後半 |
| 10月 | 23℃ | 15℃ | 雨季終盤 |
| 11月 | 23℃ | 14℃ | 乾季開始 |
| 12月 | 22℃ | 13℃ | 冷涼 |
※4月が平均最高気温25.4℃となり、バギオの中で最も暑い月になります。この時期になると、日中直射日光を浴びるとやや汗ばむ陽気となりますが、それでも日本の春に近い感覚であると言えると思います。
マニラ・セブとの気温比較
フィリピンの沿岸部にある都市と比べても、気温が8℃ほども低いのです。
| 都市 | 年間平均気温 | 最高気温 | 機構の特徴 |
|---|---|---|---|
| バギオ | 20℃前後 | 24~26℃ | 涼しく快適 |
| マニラ | 28~30℃ | 32~35℃ | 高温多湿 |
| セブ | 27~29℃ | 31~34℃ | 年中暑い |
乾季と雨季の特徴
乾季(11月~5月)|観光・留学のベストシーズン
乾季は晴れの日が多く、湿度も低いため非常に快適に過ごせます。観光に最適なシーズンで、多くの人が避暑地として訪れます。特に3月~4月は気温がやや上がりますが、それでもフィリピンの他地域に比べて涼しく、暑さが苦手な人にとって理想的な環境です。
乾季の特徴:
- この期間は、ほとんどの日が晴れです。1ヶ月の降雨日数は、一桁台
- 湿度が低く爽やか
- マニラやセブ島のような大気汚染もないため乾季には日本の秋のような澄み渡る気持ちの良い晴天が続きます
- 観光に最適
注意点:
11~2月くらいは気温が下がる時期になるので、厚着の準備が必要になります。
雨季(6月~11月)|雨が多いが涼しい
雨季シーズンになると首都マニラやセブ島と比べ物にならないほど雨が降り続きます。台風の通り道にもなっており、フィリピンでは台風の事を「バギオ」と呼んでいるほどです。
雨季の特徴:
- 年間を通じて最も雨が多いのは7月と8月で、長雨や激しいスコールに見舞われる日が続きます
- 雨期には霧がよく発生し、幻想的な景色を見ることも珍しくありません。そのため、よく渡航者からは「まるで雲の中にいるようだ」と言われます
- 気温は低く、蒸し暑さは感じない
- 湿度が高い
雨季の注意点:
バギオにあるほとんどの語学学校のドミトリーには除湿器が備わっていますが衣服がカビやすい時期ですので管理取り扱いには注意が必要です
月別詳細ガイド
1月|最も寒い月
その最も寒い時期が1月にあたるのですが、最低気温が10度まで下がることもしばしばあります。
服装: ニット、ダウンジャケット、長ズボン
2月|パナグベンガフェスティバル
バギオにおける2月は1年で最も寒い月となります。さすがに雪が降るまではいかないものの、最低気温が10℃を下回る日も稀に出始め、シャワーを浴びる時、「さむっさむっ」となることがあります。
2月中旬~3月上旬にかけて、バギオ最大のお祭り「Panagbenga Festival(パナグベンガフェスティバル)」というフラワーフェスティバルが開かれます。
3月~5月|暖かく過ごしやすい
比較的暖かい時期としては、3月下旬から5月。観光やアクティビティに最適な時期です。
6月~8月|雨季本番
一番過ごしやすい涼しい時期としては、7月から9月。気温は低いが雨が多い。
9月~10月|雨季終盤
10月になると、晴れの日がかなり増えてきてお出かけがしやすくなります。
11月~12月|乾季開始
特に寒いと感じる時期は、11月から2月。晴天が続き、気温も下がり始める。
バギオの湿度
バギオは年間を通してフィリピンの他の地域と比べても5%前後高いことが分かります。湿度が最も高くなるのは7月から9月で特に湿気を感じやすい時期になります。
但し、他の地域と違って涼しい分、蒸し暑さなどはほとんどないため、冷涼な気候で過ごしたいという渡航者は留学生には年間を通して最適な地域となります。
季節別おすすめの服装
乾季(11月~5月)の服装
常夏のイメージであるフィリピンですがバギオの気候は年間を通し涼しく冷涼であるため服装にも注意が必要です。長そでのシャツやパーカーなど日本での春先や晩秋、初冬の時期のような服装が必要です。
基本の服装:
- 長袖シャツ
- 薄手のパーカー・カーディガン
- 長ズボン
- スニーカー
寒い時期(11月~2月)追加:
- ニット・セーター
- ライトダウンジャケット
- ストール
雨季(6月~11月)の服装
服装は半袖に軽いカーディガンや薄手のパーカーなどを羽織っておくと良いでしょう。
必須アイテム:
- 折り畳み傘はフィリピンでも安く買えますが、質は劣ります。質の良い「晴雨兼用」且つ「ワンタッチ開閉式」の折り畳み傘を日本で購入されることをおすすめします
- レインコート・ポンチョ
- 防水シューズ
注意点:
この時期は湿気が多いため、湿度に弱い革製品などの扱いには気をつけてください。雨季は湿度が85%を下回る日が少ないので、革製品にはカビが生えることも。手入れが大変なことから、大事な革製品は持っていかない方が良いでしょう
ベストシーズンはいつ?
観光のベストシーズン
バギオ観光のベストシーズンは、気候が安定し過ごしやすい乾季(11月~5月)です。この時期は降水量が少く、気温も15~26℃と快適。街歩きや自然散策、観光地巡りに最適なシーズンといえます。
おすすめ時期:
- 12月~2月: 涼しく快適、クリスマスシーズン
- 2月~3月: パナグベンガフェスティバル
- 3月~5月: 暖かく晴天率高い
留学のベストシーズン
ベストシーズンは乾季にあたる11月~4月です。乾季であれば晴れの日が多く、穏やかな気候の中で勉強に集中できます。
留学時期の考え方:
バギオの語学学校では比較的外出規制が強めのスパルタ校やセミスパルタ校も多めのため、そもそも平日は外出をするタイミングは多くないと言えます。そのため、雨が降っていても英語学習には影響は少ないく、必ずしも雨季のシーズンでの留学がダメというわけではありません。
バギオの気候のメリット
1. エアコン不要の快適さ
常夏のフィリピンでは唯一エアコンがなくても涼しく過ごせる地域です。電気代の節約にもなり、エアコンによる体調不良の心配もありません。
2. 勉強・仕事に集中できる
暑さによる集中力低下がなく、学習や仕事に最適な環境です。語学留学先として人気が高い理由の一つです。
3. 治安が良い
バギオはとにかく治安がいい点が魅力です。女性が一人で住んでも安心と言えるほどなので、長期滞在が必要な留学生にとってはかなり重要なメリットと言えるでしょう。
4. 大気汚染が少ない
マニラやセブ島のような大気汚染もないため乾季には日本の秋のような澄み渡る気持ちの良い晴天が続きます。
バギオの気候のデメリット
1. 寒さへの準備が必要
首都マニラやセブ島のようにTシャツ1枚といった服装では寒すぎるため長そでの衣類などが必須となりす。
2. 雨季の雨量が非常に多い
雨季シーズンになると首都マニラやセブ島と比べ物にならないほど雨が降り続きます。
3. 湿度によるカビのリスク
衣服がカビやすい時期ですので管理取り扱いには注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
- バギオは本当に涼しいですか?
-
はい、年間を通して、気温は13°Cから24°Cに変化します。年間平均気温は20℃前後で、日本の春や秋のような気候です。
- 一番暑い時期はいつですか?
-
4月が平均最高気温25.4℃となり、バギオの中で最も暑い月になります。それでも26℃を超えることは稀です。
- 一番寒い時期はいつですか?
-
1月~2月が最も寒く、最低気温が10度まで下がることもしばしばあります。
- 雨季は外出できませんか?
-
この時期は朝~昼までは比較的天気が安定しています。午前中は外出しやすく、午後にスコールが降るパターンが多いです。
- エアコンは必要ですか?
-
いいえ、エアコンがなくても涼しく過ごせる地域です。むしろ夜は寒いくらいです。
- 日本の服をそのまま持っていけますか?
-
はい、そのまま持っていくことは可能です。また、バギオには日本人にも馴染みのある「ユニクロ」や「H&M」をはじめとするファストファッションの店舗があります。現地での調達も可能です。
- 留学は雨季を避けるべきですか?
-
必ずしも雨季のシーズンでの留学がダメというわけではありません。スパルタ校では平日の外出機会が少ないため、雨季でも問題ありません。
- 台風の影響は?
-
台風の影響を直接受けにくい地形ですが、台風の通り道にもなっており、雨季には注意が必要です。
- 標高による体への影響は?
-
標高1,500mですが、高山病の心配はほとんどありません。ただし、気圧の変化に敏感な方は注意してください。
- マニラから日帰りで訪問できますか?
-
マニラからバギオまでは約250キロで、移動には5~7時間程度かかります 。日帰りは厳しく、1泊以上がおすすめです。
まとめ
バギオは、標高約1,500メートルの高地に位置することにより、熱帯のフィリピンにありながら年間を通じて冷涼な気候が続く、フィリピンで唯一の避暑地です。
バギオの気候まとめ:
- 年間平均気温: 20℃前後、13~24℃の範囲
- 乾季: 11月~5月、晴天が多く観光に最適
- 雨季: 6月~11月、雨が多いが涼しい
- ベストシーズン: 12月~5月(観光・留学とも)
- 服装: 春・秋服、長袖必須、雨季は傘必携
- 特徴: エアコン不要、治安良好、勉強に最適
平均して例えるならば、日本の梅雨から夏に軽井沢に行く事を想像すると正に丁度良いといえると思います。暑さが苦手な方、集中して勉強や仕事をしたい方、快適な気候で長期滞在したい方には、バギオは最高の選択肢です。

