フィリピンへの赴任や移住が決まり、「どうやってコンドミニアムを借りるのか」「契約の流れは日本と違うのか」「初期費用はいくらかかるのか」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
フィリピンの賃貸契約は、日本とは大きく異なる点がいくつかあります。例えば、家賃1年分の前払いが一般的であること、礼金が不要なこと、入居審査がほとんどないことなど、知っておくべき重要なポイントが多数あります。
本記事では、マニラのコンドミニアムを実際に借りる際の具体的な流れ、物件探しの方法(特にFacebookグループの活用法)、必要書類、初期費用、そして日本人が陥りやすい失敗例まで、実践的な情報を徹底解説します。
【この記事で分かること】
- フィリピンのコンドミニアム賃貸契約の完全な流れ
- Facebookグループを使った効果的な物件探しの方法
- 契約に必要な書類と初期費用の詳細
- マニラのコンドミニアムを借りる際の注意点
- 実際の契約事例とトラブル回避のコツ
目次
フィリピンの賃貸契約の基礎知識
日本との違いを理解しよう
フィリピンでコンドミニアムを借りる際、日本とは大きく異なる慣習があります。以下の表で主な違いを確認しましょう。
| 項目 | 日本 | フィリピン |
|---|
| 初期費用 | 敷金1~2ヶ月 礼金1~2ヶ月 前家賃1ヶ月 仲介手数料1ヶ月 | デポジット1〜2ヶ月 前家賃1〜2ヶ月(または1年分) 仲介手数料1ヶ月 礼金なし |
| 契約期間 | 2年が一般的 | 1年が一般的、1ヶ月〜の短期契約もあり |
| 家賃支払い | 毎月払い | 1年分前払いが多い (毎月払いも可能) |
| 入居審査 | 厳しい (収入証明、保証人必要) | 緩やか (保証人不要が多い) |
| 家具・家電 | なしが一般的 | 完備が一般的 |
| 光熱費 | 別払い | 別払い (物件により含む) |
| インターネット | 別払いが一般的 | 別払い(物件により含む) |
| 清掃代 | 別払い | オーナー負担が多い(物件により自己負担あり) |
| 鍵交換 | | |
最も大きな違いは、家賃1年分の前払いが一般的である点です。これは、物件オーナーにとって安定した収入が確保できるメリットがあり、フィリピンでは長年の慣習となっています。
外国人でも借りられる?
結論から言うと、外国人でもフィリピン人と同じ条件でコンドミニアムを借りることができます。日本のような外国人に対する厳しい制限はありません。
【外国人が賃貸契約する際のポイント】
- 長期ビザは必須ではない(観光ビザでも契約可能)
- パスポートがあれば契約できる
- 一部の高級物件では就労ビザや雇用証明を求められることも
- 保証人は基本的に不要
コンドミニアムの探し方【4つの方法】
フィリピンでコンドミニアムを探す方法は大きく4つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。
方法① Facebookマーケットプレイス・グループ【最もおすすめ】
現地在住者の多くが利用しているFacebookマーケットプレイスとグループは、最も手軽で効果的な物件探しの方法です。掘り出し物件が見つかる可能性が高く、仲介手数料を節約できるケースも多いのが特徴です。
【おすすめのFacebookグループ】
- 「Manila Rentals」(英語)
- 「BGC Condos for Rent」(英語)
- 「Makati Condos for Rent」(英語)
- 「フィリピン在住日本人コミュニティ」(日本語)
- 「マニラ・セブ 賃貸物件情報」(日本語)
【使い方のコツ】
- Facebookで希望のエリア名 + 「condo for rent」で検索
- グループに参加申請し、投稿を確認
- 気になる物件があれば、Messengerで直接オーナーやエージェントに連絡
- 複数の物件に同時にコンタクトを取る(返信率は50%程度)
- 内見の日程を調整(当日キャンセルも多いため、複数予約がおすすめ)
メリット
- 掲載物件数が非常に多い
- オーナー直接掲載の場合、仲介手数料が不要
- 家賃交渉がしやすい
- Messengerで気軽に質問できる
- リアルタイムで最新物件が見つかる
デメリット・注意点
- 詐欺物件に注意(契約前に必ず現地確認)
- 内見のドタキャン率が約50%
- 英語でのやり取りが必要(日本語グループは少ない)
- 契約サポートは基本的になし(自己責任)
方法② 不動産情報サイト
日本の不動産ポータルサイトのように、フィリピンにも複数の物件検索サイトがあります。写真や間取り図が充実しており、条件で絞り込みができるため、効率的に物件を探せます。
【主要な不動産サイト】
- Rentpad: 物件情報がグリッド表示で見やすい。詳細情報も充実しており、最も使いやすいサイトの一つ。
- Lamudi: 中東系資本の大手不動産サイト。Rentpadと同程度の情報量で、比較的使いやすい。
- DotProperty: 東南アジア全域をカバーする不動産サイト。英語表記で使いやすい。
- BERENTA.ph: 日本語対応の不動産サイト。日本人向け物件が多数掲載されている。
方法③ 日系不動産会社
日本語でサポートを受けたい方、トラブルを避けたい方には日系不動産会社がおすすめです。内見から契約、入居後のサポートまで日本語で対応してもらえるため、安心感があります。
主要な日系不動産会社
- エイブルネットワークマニラ
- Bed&Go Inc.
- MANILA CONDO
- プロパティPH
費用の目安
- 内見手数料:5,000~10,000円
- 仲介手数料:家賃1ヶ月分
- 契約サポート:無料~有料(会社による)
方法④ 現地で直接交渉
すでにフィリピンに滞在している場合、気になるコンドミニアムの受付やセキュリティガードに直接空室を聞く方法も有効です。空室リストを見せてもらえることが多く、仲介手数料を節約できます。
ただし、この方法は英語力が必要で、契約交渉も自分で行う必要があるため、上級者向けと言えます。
賃貸契約の流れ【7つのステップ】
フィリピンでコンドミニアムを借りる際の一般的な流れを、マニラのマカティエリアを例に解説します。
ステップ1:物件を探す
前述の方法で希望エリアの物件をリストアップします。複数の物件候補を用意しておくことが重要です。
確認すべきポイント
- 家賃と管理費(含まれているか別払いか)
- 支払い方法と期日
- 立地とアクセス(職場までの通勤時間)
- 共用施設(プール、ジム、駐車場など)
- 家具・家電の有無と状態
- インターネットの有無
- セキュリティ体制
ステップ2:内見の予約
気になる物件が見つかったら、オーナーまたは不動産エージェントに連絡して内見の予約を取ります。入居予定日の1~3週間前に内見するのが理想的です。
内見予約時の注意点
- 複数物件を同日に予約する(ドタキャン対策)
- 前日に再確認の連絡を入れる
- 時間に余裕を持って予約する(渋滞を考慮)
ステップ3:内見と物件チェック
内見時には、以下の点を必ず確認しましょう。写真やビデオを撮影しておくと後で比較しやすくなります。
内見時の重要チェックリスト
- エアコンの動作確認(フィリピンでは最重要)
- 温水シャワーの水圧と温度
- 冷蔵庫、洗濯機の動作
- 電子レンジの有無と動作
- インターネット回線の速度(可能なら)
- 窓の開閉、カーテンの状態
- 水漏れやカビの有無
- 共用施設(プール、ジム)の見学
- セキュリティ体制の確認
- 周辺環境(スーパー、レストラン、交通機関)
- 家具の破損
ステップ4:家賃と条件の交渉
フィリピンでは家賃交渉が一般的です。特に長期契約(1年分前払い)の場合、5~10%の値引きが期待できます。
交渉のポイント
- 予算を決めていることを伝える
- 「長期契約するので値引きしてほしい」と伝える
- 家具や家電の修理・交換を条件に入れる
- 複数物件を検討中であることを伝える
- 即決することを伝える(上記と併用可)
- 礼儀正しく、穏やかに交渉する
ステップ5:申込みと書類準備
物件が決まったら、申込み手続きに入ります。必要書類を準備しましょう。
必要書類(一般的な例)
- パスポート(コピーもしくは写真でもOK)
- ビザのコピー(就労ビザなど、持っている場合)
- 雇用証明書(会社発行、高級物件の場合)
- フィリピンの連絡先(電話番号)
- 緊急連絡先
※ 日本のような厳しい入居審査はありません。パスポートがあれば、ほとんどの物件で契約できます。
ステップ6:契約書への署名
契約書(Lease Agreement)の内容を確認し、署名します。契約は物件内で直接署名する方法と、電子サインの2種類があります。
契約書で確認すべき項目
- 家賃の金額と支払い方法
- 契約期間と更新条件
- デポジット(敷金)の返却条件
- 中途解約の条件(ペナルティ)
- 光熱費、インターネット代の負担
- 修繕責任の範囲
- ペット飼育の可否
- 家具・家電リストと状態
- 可能同居人数(家族や彼女、友人と一緒に住む場合)
契約書は英語で書かれているため、不明な点があれば必ず確認しましょう。日系不動産会社を利用している場合は、日本語で説明してもらえます。
ステップ7:初期費用の支払いと鍵の受け取り
契約書に署名したら、初期費用を支払います。支払い後、鍵を受け取り入居となります。
初期費用の内訳(参考例)
- デポジット(敷金):家賃2ヶ月分
- 前家賃:2ヶ月分または1年分
- 仲介手数料:家賃1ヶ月分(エージェント利用時)
- 合計:家賃の5ヶ月分または14ヶ月分程度
例1:家賃50,000ペソ(約13万円)の物件の場合
- 毎月払い契約:250,000ペソ(約65万円)
- 1年分前払い契約:700,000ペソ(約182万円)
例2:最近サポートしたお客様の場合
- 毎月払い契約:18,000ペソ
- 前家賃:1ヶ月分(18,000ペソ)
- デポジット:2ヶ月分(36,000ペソ)
- 合計:54,000ペソで鍵の受け取り
この時は、家賃交渉ではなく家具の交換と修理の交渉を行いました。交渉で得られた成果は以下の通りです。
- 電子レンジの購入と設置
- 部屋とエアコンの定期清掃業者依頼
- 毎月1回の害虫駆除業者依頼
- 寝具と食器の新品への交換
- 内装のクロス張り替え
必要書類と初期費用の詳細
契約に必要な書類
フィリピンのコンドミニアム賃貸契約では、日本のような複雑な書類は必要ありません。最低限必要なのは以下の書類です。
| 書類 | 必要度 | 備考 |
|---|
| パスポート | 必須 | 写真ページのコピー |
| ビザ | 推奨 | 就労ビザなど(観光ビザでもOK) |
| 雇用証明書 | 場合による | 高級物件で求められることも |
| フィリピンの連絡先 | 必須 | 携帯電話番号 |
| 緊急連絡先 | 必須 | 家族や会社の連絡先 |
※ 日本のような保証人や収入証明書は、ほとんどの場合不要です。
初期費用の詳細と支払い方法
初期費用の内訳と支払い方法について、具体的に解説します。
| 費用項目 | 金額 | 返金 | 備考 |
|---|
| デポジット | 家賃2ヶ月分 | あり | 退去時返金 |
| 前家賃 | 2ヶ月分 または 1年分 | なし | 家賃として消費 |
| 仲介手数料 | 家賃1ヶ月分 | なし | エージェント利用時 |
| 合計 | 5~14ヶ月分 | – | 契約内容による |
支払い方法は、銀行振込または現金が一般的です。クレジットカードは受け付けていない物件が多いので注意しましょう。
マニラのエリア別賃貸事例
実際にマニラの主要エリアでコンドミニアムを借りた場合の具体例をご紹介します。
事例1:マカティ・リトル東京エリア(スタジオタイプ)
物件情報
- 物件名:ザ・ビーコン(The Beacon)
- 間取り:スタジオ(約26㎡)
- 家賃:16,000〜25,000ペソ/月
- 管理費:含む
初期費用
- ・ デポジット:16,000〜50,000ペソ(2ヶ月分)
- ・ 前家賃:420,000ペソ(1年分の場合)
- ・ 仲介手数料:なし(Facebook経由でオーナー直接契約)
- ・ 合計:〜470,000ペソ
契約のポイント
1年分前払いで家賃を月33,000ペソに値引き交渉成功。リトル東京のど真ん中で、徒歩2分に日本食スーパーがあり、単身赴任の方に最適な立地。
事例2:BGC(1ベッドルーム・家族向け)
物件情報
- 物件名:ツーセレンドラ(Two Serendra)
- 間取り:1ベッドルーム(約55㎡)
- 家賃:75,000ペソ/月(約19.5万円)
- 管理費:別途5,000ペソ/月
初期費用
- デポジット:150,000ペソ(2ヶ月分)
- 前家賃:150,000ペソ(2ヶ月分・毎月払い契約)
- 仲介手数料:75,000ペソ(1ヶ月分)
- 合計:375,000ペソ(約98万円)
契約のポイント
会社の住宅手当で毎月払い契約。BGCの中でも日本人居住率が高く、日本人学校へのスクールバスもあり、家族帯同の駐在員に人気。
契約時の注意点とトラブル対処法
よくあるトラブルと対処法
【トラブル①】エアコンや家電が壊れている
対処法:内見時に必ずすべての家電を動作確認する。入居前に修理・交換を条件にする。
【トラブル②】デポジットが返金されない
対処法:入居時に部屋の状態を写真・動画で記録する。退去時の立会いを必ず行う。契約書の返金条件を確認する。
【トラブル③】インターネットが遅い
対処法:契約前にインターネット回線の種類(光ファイバーか否か)を確認する。可能なら内見時に速度テストを行う。
【トラブル④】騒音問題
対処法:内見時に上下左右の部屋の状況を確認する。可能であれば平日・休日の両方で内見する。
契約前に必ず確認すべきこと
□ 家賃に管理費(Association Dues)が含まれているか
□ 光熱費、インターネット代の負担
□ 中途解約の条件とペナルティ
□ 修繕責任の範囲(エアコン故障時など)
□ 駐車場の有無と料金
□ ペット飼育の可否
□ 契約更新時の家賃上昇率
□ 家具・家電リストと状態の記録
まとめ
フィリピンでコンドミニアムを借りる際の重要ポイントをまとめます。
物件探しの段階
- Facebookマーケットプレイス・グループを積極的に活用する
- 複数の物件候補をリストアップする
- 内見予約は複数物件を同日に入れる(ドタキャン対策)
内見の段階
- エアコン、温水シャワー、家電の動作確認を必ず行う
- 部屋の状態を写真・動画で記録する
- 共用施設(プール、ジム)の確認
- 周辺環境(スーパー、レストラン)をチェック
契約の段階
- 家賃交渉を試みる(特に長期契約の場合)
- 契約書の内容を十分に確認する
- 初期費用の内訳を明確にする
- デポジット返金条件を確認する
入居後
- 不具合があればすぐにオーナーに連絡する
- 光熱費の支払い方法を確認する
- コンドミニアムのルールを守る
フィリピンのコンドミニアム賃貸は、日本とは異なる点が多いですが、ポイントを押さえれば失敗することはありません。特にFacebookグループを活用した物件探しは、掘り出し物件が見つかる可能性が高く、仲介手数料も節約できるためおすすめです。
マニラでの新生活が快適なものになることを願っています。不安な点があれば、日系不動産会社に相談するのも良い選択肢です。
※契約条件や家賃相場は変動する可能性がありますので、最新情報は現地で確認してください。もしサポートが必要な場合は公式LINEに登録してその旨メッセージを送っていただければ随時返信をさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。