フィリピンの穴場観光地として近年人気が高まっているパナイ島・イロイロ。治安が良く、人々もフレンドリーで「City of Love(愛の街)」とも呼ばれています。世界遺産のミアガオ教会やギマラス島のマンゴー、天国の絶景ガリンファームなど、自然・歴史・グルメが一度に味わえる魅力満載の都市です。
ローカル感と快適さのバランスが良く、初めてのフィリピン旅行にもおすすめ。本記事では、イロイロの観光スポット、アクセス、治安情報まで最新の実体験をもとに徹底解説します。
イロイロとは|フィリピンの穴場観光都市
イロイロ州イロイロ市は、フィリピンのちょうど真ん中あたりにあります。セブ島から2つ東にある島ウェスタン・ヴィサヤ島の南部に位置しています。「イロイロ」は、フィリピン中部にある町です。近年は目まぐるしく都市化が進んでいます。ビサヤ諸島の中でも、最も西に位置するパナイ島にあり、観光地で有名なセブ島にも近いです。
イロイロの魅力
マニラなどの大都市に比べて治安が良く、世界的データベース「Numbeo Safety Index 2019」で東南アジアで最も安全な都市トップ10に選定されたこともあります。また、「City of Love」(愛の街)という愛称もあるほど、イロイロの人々は穏やかで優しさにあふれています。街全体がまだあまり観光地化されておらず、穏やかな空気が流れています。
イロイロの特徴:
- 治安が良い:東南アジアで最も安全な都市トップ10
- 観光地化されていない:ローカルな雰囲気を楽しめる
- 世界遺産あり:ミアガオ教会(バロック様式)
- アクセス良好:マニラから飛行機で1時間
- ボラカイ島に近い:世界的ビーチリゾートへの拠点
イロイロへのアクセス
日本からイロイロへ
日本からイロイロのイロイロ国際空港へは、直行便は出ていません。マニラのニノイ・アキノ国際空港を経由するのが一般的な行き方です。マニラへは、成田、羽田、関西国際、中部国際(セントレア)、福岡から直行便が出ており、約4時間半で到着します。そこからイロイロ国際空港へは約1時間です。
主な経路:
- 日本→マニラ(4.5時間)
- マニラ→イロイロ(1時間)
- 総所要時間:約6~8時間
利用航空会社:
- フィリピン航空
- セブパシフィック航空
- エアアジア・フィリピン
イロイロ市内の移動
イロイロ内の移動は、タクシーが一番便利です。必ずメーターが起動しているか確認してから乗り込むようにしましょう。配車サービス「Grab」もイロイロで利用可能です。また、ジプニーというジープを改造した乗合のバスもフィリピンならではの乗り物です。
移動手段:
| 手段 | 料金目安 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Grab | 50~200ペソ | ★★★★★ |
| タクシー | 初乗り40ペソ | ★★★★☆ |
| ジプニー | 9~15ペソ | ★★★☆☆ |
【世界遺産】ミアガオ教会|イロイロ観光の必見スポット
ミアガオ教会は世界遺産「フィリピンのバロック様式教会群」のひとつです。
基本情報:
- 正式名称: サント・トマス・デ・ビリヤヌエバ教会
- 建設年: 1797年完成
- 所在地: ミアガオ町(イロイロ市から南へ約40km)
- 所要時間: 市内から車で約1時間
- 入場料: 無料(寄付歓迎)
見どころ:
- バロック様式の美しいファサード
- 戦争の要塞としても使用された歴史
- 独特の彫刻装飾
ここでの一番の目的は、ユネスコの世界遺産に登録されています、ミアガオにあるサント・トマス・デ・ビリヤヌエバ教会(通称ミアガオ教会)を訪ねることです。
モロ教会|イロイロ市を代表する美しい教会
モロ教会はイロイロ市を代表する美しい教会です。
特徴:
- ゴシック様式とルネッサンス様式の融合
- 「女性の教会」として知られる
- フィリピン国定史跡
- 女性聖人の像が多数展示
アクセス:
イロイロ市内中心部から車で約10分
ガリンファーム|天国のような絶景スポット
イロイロに来たら絶対に行くべき観光スポットがここ、ガリンファーム(GARIN FARM)です!視界一面が真っ白な世界で覆われ、キリスト像や多くの白い天使に取り囲まれておりその景色はまるで天国のようだと言われています。
基本情報:
- 所在地: サン・ホアキン町
- 所要時間: 市内から車で約1.5時間
- 入場料: 大人150ペソ程度
- 滞在時間: 2~3時間
見どころ:
巡礼の旅(Pilgrimage)
ガリンファームを代表する巡礼の旅(Pilgrimage a Journey from Creation to Ascension)では、イエス・キリストの物語を体感することができます。人形を用いて立体的に表現されているので、カトリック教徒でなくても分かりやすいのが特徴です。
真っ白な天国エリア
写真映えスポットは長~い階段を昇った先の頂上に待ち構えている場所にあります。必ずスニーカーや歩きやすい靴で行くことをお勧めします。そして真っ白な景色に太陽が反射しかなり眩しいので、サングラスは必須です。
緑のトンネル
「巡礼の旅」を始め、動物の小屋やアトラクション施設があります。休日をファミリーでゆっくり過ごすのにも、おすすめの場所です。入口から長く続く「緑のトンネル」は大変きれいな場所になっています。
訪問のポイント:
- 動きやすい服装・スニーカー必須
- サングラス持参
- 日焼け止め
- 飲み物
ギマラス島|世界一甘いマンゴーの島
ギマラス島はイロイロの対岸に浮かぶ島です。船で約30分の場所にあり、日帰りで訪れることができます。ギマラス島ではマンゴーが名産で、世界でも有名なとびきり甘いマンゴーとして知られています。
基本情報:
- 所在地: イロイロ港から船で30分
- フェリー料金: 往復100~150ペソ
- 所要時間: 日帰り可能
楽しみ方:
世界一甘いマンゴー
マンゴーが名産のフィリピンでも特にマンゴーが有名で、世界一美味しいマンゴーが食べられる場所として知られています。毎年「マンゴー祭り」が開かれており、その時期を狙って行くのもおすすめです。4月~5月頃にはマンゴー・フェスティバルが開かれ、約50ペソ(約110円)でマンゴーが食べ放題なども開催しています。
アクティビティ
マンゴー以外にも、ダイビングや洞窟の探検、トレッキングなどのアクティビティも楽しむことができます。
ビーチ
イロイロには美しいビーチがあり、家族や個人でものんびり過ごせます。
イロイロ博物館|歴史と文化を学ぶ
州議会議事堂の近くにあるイロイロ博物館は、小規模ながら見ごたえのある展示が充実しています。石器時代に作られた陶器や工芸品、太平洋戦争の遺留品など、幅広い年代のコレクションが展示され、街の歴史を感じられます。
基本情報:
- 住所: Bonifacio Drive, Iloilo City
- 営業時間: 火曜~日曜 9:00~17:00
- 休館日: 月曜日
- 入場料: 50ペソ程度
イロイロ川エスプラネード|散策・ジョギングに最適
イロイロ川は、イロイロ市に流れる大きな川です。この川は実は、イロイロの名前の由来になっています。この川を上から見ると、2つの鼻に見えるそうで、タガログ語で「鼻」を意味する「ilong」を2回続けたilong ilongが、イロイロになったそうです。散歩やジョギングをしている人が多く、旅の疲れをリフレッシュするのにぴったりです。
おすすめ時間帯:
- 早朝:ジョギングに最適
- 夕方:サンセット鑑賞
- 夜:ライトアップされた夜景
SMシティ・イロイロ|ショッピング&グルメ
イロイロあるショッピングモール「SMシティ イロイロ」は市中心にある商業施設。この「SMシティ」はフィリピンでおなじみのモールで、日本でイメージするなら「イオンモール」のような感じです。
施設内容:
- スーパーマーケット
- アパレルショップ
- レストラン・カフェ
- 映画館
- 旅行代理店
SMシティ。市民に大人気のモール。フィリピン自体、若者が多いですが、イロイロシティは学生が多い街なので一層活気にあふれています。
イロイロのご当地グルメ
1. バッチョイ(Batchoy)|イロイロ名物麺料理
バッチョイは日本でいうラーメンのような、ご当地の麺料理です。イロイロ市内発祥で、フィリピン全土に広まったといわれています。透明で素材の甘味を感じられるスープに、細めの麺がたっぷり。具材は豚肉やレバー、卵などが定番です。
特徴:
- あっさりスープ
- 豚肉・レバー・卵
- 細麺
- にんにくチップトッピング
2. 新鮮シーフード
海に面したイロイロの街を訪れたのなら、獲れたての新鮮なシーフードを堪能しましょう。さまざまな種類のシーフードを味わうことができますが、おすすめは牡蠣。街には牡蠣にこだわった専門店もあるほどです。プリプリな食感とクリーミーな味わいが贅沢な気分にさせてくれることでしょう。
イロイロの年間イベント
ディナギャン・フェスティバル(Dinagyang Festival)
毎年1月に開催されるディナギャン・フェスティバルは、セブ島からキリスト像サント・ニーニョ像の複製が贈呈されたことを記念したイベントです。お祭りに参加する人は昔のフィリピン人を表現するため、全身を真っ黒に塗り、カラフルな衣装を身にまとってパフォーマンスします。
開催時期: 毎年1月第4週末 見どころ:
- ストリートダンス・コンペティション
- カラフルな衣装と装飾
- 屋台グルメ
- 音楽パフォーマンス
フィリピンに数ある有名なお祭りの中で、最近3年間連続で1位を取っているイロイロのディナギャン・フェスティバルがもっともおすすめ。
ボラカイ島へのアクセス拠点
フィリピン・ボラカイ島(Boracay Island)の「ホワイトビーチ」は、トリップアドバイザーの世界のベストビーチで2014年にアジアNo.1ビーチに2年連続で受賞した世界的に有名なビーチがある島です!そんな最高の楽園に、飛行機を使わずバン+フェリーでコストを抑え、約6時間ほどでイロイロから行くことができます。
イロイロからボラカイへ:
- バン+フェリー:約6時間
- 費用:飛行機より安い
- イロイロからはバスで約5~6時間かかりますが、ぜひ足を運んでみましょう。
イロイロ観光モデルコース
【2泊3日】イロイロ満喫プラン
1日目:
- 午前:イロイロ空港到着、ホテルチェックイン
- 午後:モロ教会観光
- 夕方:イロイロ川エスプラネード散策
- 夜:Smallville Complexでディナー
2日目:
- 終日:ギマラス島日帰りツアー
- マンゴー農園訪問
- ビーチでリラックス
- 夜:イロイロ市内でバッチョイを堪能
3日目:
- 午前:ガリンファーム観光
- 午後:SMシティでショッピング・ランチ
- 夕方:空港へ、帰国
【4泊5日】世界遺産+ボラカイ欲張りプラン
- 1日目: イロイロ到着、市内観光
- 2日目: ミアガオ教会(世界遺産)、周辺教会巡り
- 3日目: ギマラス島日帰り
- 4日目: ボラカイ島へ移動、ビーチリゾート
- 5日目: ボラカイ島観光、イロイロ経由で帰国
治安情報と注意点
イロイロの治安
地方都市であるイロイロはマニラなどの大都市に比べて治安が良く、安全な街と言われています。ホームレス、ストリートチルドレンを見かけることもほとんどありません。
注意事項: 夜間は犯罪が多くなる傾向にあるため、ナイトクラブや繁華街周辺に行く際は必ず集団で行くようにし、特に女性は単独行動をしないようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
- イロイロは何日あれば十分ですか?
-
満喫するなら3泊4日が理想的です。ゆっくり過ごすことを目安にするならば、2泊3日を最低ラインとして考えておくことをおすすめします。
- 英語は通じますか?
-
言語はイロンゴ語、タガログ語、そして英語が話されます。教育やビジネスでは英語が使われます。そのため観光地では英語が十分通じます。
- 治安は大丈夫ですか?
-
マニラなどの大都市に比べて治安が良く、世界的データベース「Numbeo Safety Index 2019」で東南アジアで最も安全な都市トップ10に選定されたこともあります。ただし、夜間の単独行動は避けましょう。
- セブ島とどちらがおすすめですか?
-
セブとマニラに比べると、イロイロは認知度はそこまで高くありません。しかしイロイロは歴史、エンタメ、グルメ、バカンスがそろった、フィリピン屈指の観光都市です。セブは観光地化が進んでいますが、イロイロは穴場でローカルな雰囲気を楽しめます。
- ベストシーズンはいつですか?
-
乾季の11月~5月がベストです。特に1月のディナギャン・フェスティバル時期、4月~5月のマンゴー・フェスティバル時期がおすすめです。
- 日本語は通じますか?
-
基本的に英語でのコミュニケーションになります。日本語はほとんど通じません。
- Wi-Fiは使えますか?
-
ホテル、カフェ、ショッピングモールでは無料Wi-Fiが利用できます。SIMカードの購入もおすすめです。
- クレジットカードは使えますか?
-
大型ショッピングモールやホテルでは使用可能ですが、小規模店舗では現金が必要です。
- 観光地化されていますか?
-
フィリピンの他の都市と比べてまだ観光地化されておらず、穏やかで治安の良い街です。観光地化されすぎていない、本物のフィリピンを体験できます。
- マニラやセブから日帰りできますか?
-
距離的にほぼ不可能です。最低でも1泊、できれば2泊以上がおすすめです。
まとめ
イロイロは「ガッツリ観光!バカンス!」というよりは、どちらかというと、のんびりじっくりと散策するのに適した場所です。思い切り楽しむ旅行もいいですが、心を静かに落ち着ける旅もまた良いのではないでしょうか?観光地としてではなく、現地の雰囲気をそのまま味わってみましょう。
イロイロ観光のポイント:
- 治安良好:東南アジアで最も安全な都市トップ10
- 世界遺産:ミアガオ教会(バロック様式)
- 絶景スポット:ガリンファーム(天国のような白い世界)
- 世界一のマンゴー:ギマラス島(船で30分)
- ご当地グルメ:バッチョイ、新鮮シーフード
- 観光地化されていない:穏やかでローカルな雰囲気
- ボラカイへの拠点:世界的ビーチリゾートに近い
イロイロの街は美しい海だけでなく、歴史的建造物も多いため、建築めぐりや街歩きが好きな人にもおすすめの街です。マニラやセブ島などから足をのばして、のんびりと過ごしてみましょう。観光地化されすぎていない、本物のフィリピンを体験したいなら、イロイロは最高の選択です。

