フィリピンの首都マニラには、歴史・文化・アートを一度に体験できる魅力的な美術館・博物館が数多くあります。国立美術館をはじめとする入館無料の施設、家族で楽しめる体験型ミュージアム、マカティの人気スポットであるアヤラ博物館など、初心者でも気軽に巡れるスポットが豊富です。
本記事では、2025年時点の最新情報として、
- 入館料
- 営業時間
- 日本語ガイドの有無
- アクセス方法
- 所要時間の目安
まで、初めてマニラを訪れる方でも迷わないように、細かく分かりやすく解説します。
「無料で楽しめる美術館は?」「日本語対応の施設はある?」「おすすめの巡り方は?」といった疑問も、この記事でまとめて解決。旅行者はもちろん、留学生や在住者にも役立つ完全ガイドとしてご活用ください。
マニラで“芸術と歴史の旅”を始める第一歩として、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
マニラの美術館・博物館の魅力
フィリピンの首都・マニラには、たくさんの美術館と博物館があることをご存知ですか? ただ展示物を見るだけでなく、体験型の展示も人気です。
マニラの美術館・博物館は、フィリピンの豊かな歴史、文化、芸術を学べる貴重な施設です。スペイン統治時代から現代まで、フィリピンの変遷をアートを通じて感じることができます。
マニラの美術館・博物館の特徴
- 入館料無料の施設が多い: 国立美術館・博物館は基本無料
- 充実した展示内容: フィリピンの歴史と文化を網羅
- 冷房完備: 暑い日や雨の日に最適
- 写真撮影OK: ほとんどの施設で撮影可能
- アクセス良好: リサール公園周辺に集中
【無料】国立美術館・博物館群
1. フィリピン国立美術館(National Museum of Fine Arts)
マニラ市役所から程近い場所にある美術館。入場料無料なのがうれしいところ。現在は、一般入館料の無料政策がとられており、2016年7月1日より入館料は無料となっています。
基本情報:
- 住所: P. Burgos St., Padre Burgos Ave., Ermita, Manila
- 営業時間: 火曜~日曜 10:00~18:00
- 休館日: 月曜日
- 入館料: 無料
- 所要時間: 1~2時間(じっくり見ると半日)
展示内容:
博物館と言いながら、展示物のほとんどが絵画等の美術品となっており、フィリピンの過去から、現代の歴史や風景、歴代の大統領等を描いた作品が、テーマごとの部屋に展示されています。
必見の作品:
- “Spoliarium”: オススメとしては、最初の展示室をを入った正面にあるフィリピン画家Juan Lunaの傑作”Spoliarium”
- “マニラの歴史“: カルロス・V・フランシスコの巨大な「マニラの歴史」は素晴らしい
- 戦争画: 日本軍の戦争も描かれています
入館の流れ:
- 入口で大きなバックは預けることになりますので、貴重品を入れる小さなポーチを持っていくといいかも知れません
- パスポート提示が必要
- 帽子は脱ぐ必要あり
- 写真撮影はOK
アクセス:
リサール公園から車で5分ほどで、タクシー代金の目安は100ペソほど。
2. フィリピン国立自然史博物館(National Museum of Natural History)
リサール公園内にあり、国立美術館や人類学博物館からも500m程で、こちらも入場無料でパスポート提示が必要です。6階建ての館内には、フィリピンの動植物の生態や化石、地質学などテーマ別に展示されていました 。
基本情報:
- 住所: Agrifina Circle, Rizal Park, Manila
- 営業時間: 8:00~19:00
- 休館日: 月曜日
- 入館料: 無料
- 所要時間: 1.5~2時間
見どころ:
最大の見どころは1階から6階まで伸びる「ツリー・オブ・ライフ」です。
3. フィリピン国立人類学博物館(National Museum of Anthropology)
基本情報:
- 住所: Rizal Park, Manila
- 営業時間: 火曜~日曜 10:00~17:00
- 休館日: 月曜日
- 入館料: 無料
展示内容:
- フィリピンの先住民族の文化
- 伝統工芸品
- 民族衣装
- 考古学的発掘品
【有料】私立美術館・博物館
4. アヤラ博物館(Ayala Museum)|マカティの人気博物館
オシャレなショップが集まるグリーンベルト4の一画にある博物館。立体人形や背景画、模型などで、フィリピンの歴史的出来事を60の場面で再現する「ジオラマ」コーナーが有名です。
基本情報:
- 住所: Greenbelt Park, Makati Avenue, corner Dela Rosa Street, Makati
- 営業時間: 10:00~18:00
- 休館日: 月曜日、火曜日、祝日(※情報により異なる場合あり、最新情報は公式サイトで確認)
- 入館料:
- フル入場:大人425ペソ、学生・シニア300ペソ
- 基本入場:大人350ペソ、学生・シニア250ペソ
- 所要時間: 2~3時間
入館料の種類:
基本入場料だと3階まで、フルだと4階まで入場可
展示内容:
| フロア | 展示内容 |
|---|
| 4階 | 金製品コレクション(Gold Collection) |
| 3階 | 企画展示エリア |
| 2階 | 60のジオラマでフィリピン史を再現、船舶模型 |
| 1階 | 受付、ミュージアムショップ |
見どころ:
- ジオラマ展示: 60の手作りジオラマがフィリピン歴史のコアを形成し、先史時代から1946年のアメリカによるフィリピン独立承認までの主要な出来事とテーマを記録
- 金製品コレクション: フィリピンの先史時代の金工芸品
- 陶磁器コレクション: 中国・東南アジアとの交易を示す500点以上
- 海洋船舶展示: フィリピンの海洋交易の歴史
アクセス:
アヤラ駅から15分くらい。グリーンベルトモールに隣接しているため、ショッピングの合間に立ち寄れます。
5. メトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Manila)
マニラ湾岸沿いのベイウオークに面していますが、車通行が多い通り(Roxas Blvd)にありますので、車に注意しながら入り口まで進む必要があります。入場料は100ペソでした。
基本情報:
- 住所: BSP Complex, Roxas Boulevard, Malate, Manila
- 営業時間: 月曜~土曜 10:00~17:30
- 休館日: 日曜日
- 入館料: 100ペソ(約260円)
- 所要時間: 1~1.5時間
展示内容:
展示されている絵画や芸術作品は、大略、1990年以降の新しい作品です。フィリピン独自の芸術展示が指向されているように感じました。
6. マインド・ミュージアム(Mind Museum)|体験型科学博物館
マニラのボニファシオ・グローバル・シティにある体験型の科学博物館。館内は原子、地球、生命、宇宙、テクノロジーの5つのエリアに分かれており、250点以上の体験型の展示物が設置され、実際に見たり触ったりしながら科学について学ぶことができます。
基本情報:
- 住所: J.Y. Campos Park, 3rd Avenue, Bonifacio Global City, Taguig
- 営業時間: 火曜~日曜 9:00~18:00
- 休館日: 月曜日
- 入館料: 大人750ペソ、子供550ペソ
- 所要時間: 2~3時間
おすすめポイント:
- 子供向けの体験型展示が充実
- 家族連れに最適
- 科学を楽しく学べる
【歴史的建造物】博物館・美術館
7. サン・オウガスチン教会博物館(San Agustin Church Museum)
世界遺産「フィリピンのバロック様式教会群」の1つであるサン・オウガスチン教会併設の博物館です。教会は午前のミサが終わると閉門してしまうようですが、観光客はこの博物館に入れば教会内部も見学することができます。
基本情報:
- 住所: General Luna St., Intramuros, Manila
- 営業時間: 8:00~12:00、13:00~18:00
- 入館料: 200ペソ(約520円)
- 所要時間: 1~2時間
見どころ:
マニラは第二次世界大戦の激戦地でしたが、教会の屋根に赤十字シートを被せたおかげでこの教会は被災せず、1607年に建造されたそのままの姿で見ることができます。
広い中庭を囲む2階建ての大きな回廊に沿った数多くの部屋に、豊富な展示物を収蔵し、かなり見応えがあります。アジアでこれだけのキリスト教関連の文物を備えているのは、おそらくここだけだと思います。
8. カーサ・マニラ博物館(Casa Manila Museum)
基本情報:
- 住所: General Luna St., Intramuros, Manila
- 営業時間: 9:00~18:00
- 入館料: 75ペソ(約200円)
- 所要時間: 45分~1時間
展示内容:
- スペイン統治時代の富裕層の邸宅を再現
- 当時の家具、調度品
- 19世紀のマニラの生活様式
入館料比較表
| 施設名 | 入館料 | 学生・シニア | 無料日 |
|---|
| フィリピン国立美術館 | 無料 | 無料 | 毎日 |
| 国立自然史博物館 | 無料 | 無料 | 毎日 |
| 国立人類学博物館 | 無料 | 無料 | 毎日 |
| アヤラ博物館 | 425ペソ | 300ペソ | なし |
| メトロポリタン美術館 | 100ペソ | 100ペソ | なし |
| マインド・ミュージアム | 750ペソ | 550ペソ | なし |
| サン・オウガスチン教会 | 200ペソ | 200ペソ | なし |
| カーサ・マニラ | 75ペソ | 75ペソ | なし |
※1ペソ≒2.6円で計算
日本語ガイド・日本語対応について
日本語ガイドツアー
利用可能な施設:
- アヤラ博物館:事前予約で日本語ガイド手配可能(追加料金)
- 国立美術館:ボランティアガイドツアーあり(英語のみ)
音声ガイド
現時点では、マニラの主要美術館・博物館で日本語音声ガイドを提供している施設はありません。
展示の日本語表記
多くの免税店では、日本語対応のスタッフやサービスが整っており、日本人観光客に人気のある商品の品揃えが充実していますという免税店とは異なり、美術館・博物館の展示は基本的に英語とタガログ語のみです。
おすすめの対策
- 事前学習: 日本語の旅行ガイドブックで予習
- 翻訳アプリ: Google翻訳などのカメラ翻訳機能を活用
- 英語ガイドツアー: 簡単な英語が分かればガイドツアーに参加
- 日本語ガイドブック: 一部施設で日本語パンフレット配布
エリア別アクセスガイド
リサール公園周辺(イントラムロス・エルミタ)
主な施設:
- フィリピン国立美術館
- 国立自然史博物館
- 国立人類学博物館
- メトロポリタン美術館
アクセス:
- LRT1線で最寄り駅下車、徒歩15~20分
- タクシー・Grabが便利
- 徒歩で複数施設を巡れる
周辺観光:
- リサール公園
- イントラムロス(旧市街)
- マニラ・オーシャンパーク
マカティ地区
主な施設:
アクセス:
- MRT3線Ayala駅から徒歩12分
- グリーンベルトモールから徒歩すぐ
周辺観光:
- グリーンベルトモール
- アヤラ・トライアングル公園
- マカティ教会
BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)
主な施設:
- マインド・ミュージアム
- フィリピン・ヘリテージ・ミュージアム(Bahay Tsinoy)
アクセス:
- BGC内はジプニーまたはタクシー
- ショッピングモールと併せて訪問可能
訪問のコツとマナー
入館時の注意事項
持ち物:
- パスポート(身分証明必須)
- 小さめのバッグ(大きな荷物は預ける)
- 飲み物(館内販売が少ない)
- カメラ(撮影OKの施設が多い)
服装:
- 冷房が効いているため羽織物持参
- 歩きやすい靴
- 帽子は入館時に脱ぐ
撮影ルール
| 施設 | 写真撮影 | フラッシュ | 動画 |
|---|
| 国立美術館 | ○ | × | ○ |
| 国立自然史博物館 | ○ | × | ○ |
| アヤラ博物館 | 施設により異なる | × | 要確認 |
| サン・オウガスチン教会 | ○(有料) | × | △ |
混雑を避けるコツ
空いている時間:
- 平日の午前中(10:00~12:00)
- 雨の日(観光客が少ない)
混雑する時間:
- 訪れた日が日曜日ということもあり結構並んでいました
- 週末・祝日
- 学生の遠足シーズン(10月~11月)
おすすめモデルコース
【半日】リサール公園周辺アート巡り
所要時間: 4~5時間 予算: 無料(交通費のみ)
9:00 リサール公園散策(30分)
↓ 徒歩5分
9:45 フィリピン国立美術館(2時間)
↓ 徒歩5分
12:00 ランチ(1時間)
↓ 徒歩3分
13:00 国立自然史博物館(1.5時間)
【1日】マニラ美術館・博物館完全制覇
所要時間: 8時間 予算: 1,000ペソ程度
9:00 アヤラ博物館(2.5時間)
↓ Grab移動30分
12:00 ランチ@meta_admin
13:00 フィリピン国立美術館(2時間)
15:00 国立自然史博物館(1.5時間)
16:30 イントラムロス散策
17:00 サン・オウガスチン教会博物館(1時間)
【家族向け】体験型ミュージアム
所要時間: 半日 予算: 1人1,500ペソ
10:00 マインド・ミュージアム(3時間)
↓ BGC内移動
13:00 ランチ@BGCのレストラン
14:30 Kidzania Manila(オプション)
よくある質問(FAQ)
- 日本語ガイドはありますか?
-
一部施設で事前予約により日本語ガイドを手配できますが、基本的には英語ガイドのみです。翻訳アプリの活用をおすすめします。
- 無料の博物館はどれですか?
-
フィリピン国立美術館、国立自然史博物館、国立人類学博物館は入館無料です。パスポート提示が必要です。
- 写真撮影はできますか?
-
ほとんどの施設で撮影可能ですが、フラッシュ撮影は禁止です。一部の特別展示では撮影禁止の場合もあります。
- 所要時間はどのくらいですか?
-
施設により異なりますが、1~3時間が目安です。じっくり見たい方は半日確保することをおすすめします。
- 子供向けの施設はありますか?
-
マインド・ミュージアム(BGC)が最も子供向けです。体験型展示が充実しており、科学を楽しく学べます。
- 雨の日でも楽しめますか?
-
暑い日、雨の日は特におすすめです。冷房完備の屋内施設なので、雨の日や暑い日に最適です。
- ランチはどこで食べられますか?
-
アヤラ博物館はグリーンベルトモール内、リサール公園周辺にはローカルレストラン多数あります。
- 車椅子でアクセスできますか?
-
Q8: 車椅子でアクセスできますか? バリアフリールーム利用可能な施設もありますが、古い建物は段差がある場合があります。事前確認をおすすめします。
- クレジットカードは使えますか?
-
アヤラ博物館、マインド・ミュージアムなど主要施設では使用可能ですが、小額の現金も用意しておきましょう。
- ミュージアムショップはありますか?
-
アヤラ博物館、国立美術館にはミュージアムショップがあります。フィリピンアート関連のグッズやポストカードが購入できます。
まとめ
マニラの美術館・博物館は、学生に優しい。ほとんどの博物館は入場が無料か学割が効いており、貧困大学生の余暇の過ごし方をを経済的に支援してくれるだけでなく、すべての旅行者にとって魅力的な観光スポットです。
マニラ美術館・博物館巡りのポイント:
- 無料施設が充実: 国立美術館・博物館は入館無料
- 多様な展示: フィリピンの歴史・文化・芸術を網羅
- 冷房完備: 暑い日や雨の日に最適
- アクセス良好: リサール公園周辺に集中
- 写真撮影OK: ほとんどの施設で撮影可能
フィリピンの人々の宗教、歴史、生活、価値観などを美術館の作品群からある程度知ることができたように思います。マニラの美術館・博物館を訪れて、フィリピンの豊かな文化遺産と芸術の世界を体験してください。