「フィリピンに移住したけど、日本からの送金方法がよくわからない」
「家族への仕送りや生活費の移動、どの方法が一番安い?」
「銀行送金は手数料が高すぎる…もっと安い方法はないの?」
フィリピンで生活する日本人にとって、日本からの送金は避けて通れない問題です。生活費の補充、家族への仕送り、不動産購入資金、ビジネス資金など、様々なシーンで送金が必要になります。
しかし、送金方法は多種多様で、どれを選ぶかによって数千円から数万円もの差が生まれます。この記事では、2025年最新の情報に基づいて、以下を徹底解説します:
- 送金方法の種類と特徴
- 手数料・為替レート・スピードの比較
- おすすめ送金サービスTOP5
- 隠れコストの見抜き方
- シーン別の最適な送金方法
- トラブル回避の注意点
この記事を読めば、最も安く・早く・安全にフィリピンへ送金する方法がわかります。実際の手数料比較、利用手順、ユーザーの体験談も交えて、実践的な情報をお届けします。
目次
フィリピン送金の基礎知識
送金で発生する3つのコスト
海外送金では、表示されている手数料だけを見てはいけません。実際には3つのコストがかかります。
コスト1: 送金手数料
送金サービスが明示する手数料
例:
- 銀行: 2,000~4,000円
- Wise: 500~1,500円
- Western Union: 1,000~3,000円
コスト2: 為替レート上乗せ(隠れコスト)
最も重要なのがこの「隠れコスト」
ミッドマーケットレート(実勢レート)とは?
- 通貨市場の真の為替レート
- Google検索で出てくるレート
- 銀行や送金業者はこのレートに上乗せする
具体例(10万円送金の場合):
【ミッドマーケットレート: 1ペソ = 2.50円】
【銀行のレート: 1ペソ = 2.60円】
100,000円 ÷ 2.60 = 38,461ペソ
実際の価値: 38,461 × 2.50 = 96,153円
隠れコスト: 100,000 – 96,153 = 3,847円
【Wiseのレート: 1ペソ = 2.51円(ほぼ実勢レート)】
100,000円 ÷ 2.51 = 39,840ペソ
実際の価値: 39,840 × 2.50 = 99,600円
隠れコスト: 100,000 – 99,600 = 400円
→ 銀行とWiseで3,447円の差!
コスト3: 受取手数料
受取側(フィリピン)で発生する手数料
- 銀行口座受取: 無料~500ペソ
- 現金受取(Western Unionなど): 無料~数百ペソ
- GCashなど電子ウォレット: 無料
送金方法の種類
| 方法 | 手数料 | 為替レート | スピード | 安全性 |
|---|
| 銀行送金 | 高 | 悪い | 遅い | 高 |
| Wise | 安 | 良い | 速い | 高 |
| Western Union | 中 | 悪い | 速い | 高 |
| SBI Remit | 安 | 良い | 速い | 高 |
| 暗号資産 | 最安 | 良い | 最速 | 中 |
| RC Wallet | 安 | 良い | 速い | 高 |
おすすめ送金サービス徹底比較TOP6
1位: Wise(旧TransferWise)★最もおすすめ
総合評価: ★★★★★
特徴
メリット:
ミッドマーケットレート(実勢レート)を使用
- 手数料が明確で安い
- スピードが速い(数時間~1日)
- オンラインで完結
- 日本語対応
- スマホアプリが使いやすい
デメリット:
- 初回は本人確認が必要
- 現金受取ができない(銀行口座必須)
手数料・コスト
| 送金額 | 手数料 | 為替レート | 実質コスト |
|---|
| 10万円 | 約750円 | ミッドマーケット | 約750円 |
| 30万円 | 約1,800円 | ミッドマーケット | 約1,800円 |
| 50万円 | 約2,800円 | ミッドマーケット | 約2,800円 |
他社との比較(10万円送金の場合):
- 銀行: 実質コスト約6,000~8,000円
- Wise: 実質コスト約750円
- 差額: 約5,250~7,250円
利用手順
- アカウント登録
- Wise公式サイトまたはアプリ
- メールアドレスとパスワード設定
- 本人確認
- マイナンバーカードまたは運転免許証
- セルフィー撮影
- 通常1~2営業日で承認
- 送金設定
- 送金額を入力
- 受取人情報を登録(フィリピンの銀行口座)
- 手数料と着金額を確認
- 支払い
- 銀行振込またはデビットカード
- クレジットカードも可能(手数料やや高)
- 送金完了
- 通常数時間~1営業日で着金
- リアルタイムで進捗確認可能
受取方法
- フィリピンの銀行口座(BDO、BPI、Metrobankなど)
- GCash(電子ウォレット)
2位: RC Wallet ★暗号資産に慣れている方に最適
総合評価: ★★★★☆
特徴
メリット:
クリプトをデビットカードで使用可能
- 送金手数料が非常に安い
- 全国のATMで現金引き出しも可能
- 24時間365日送金可能
- 為替レートが有利
- フィリピンでそのまま使える
デメリット:
- 暗号資産の知識が必要
- 価格変動リスク(ステーブルコインなら回避可能)
手数料・コスト
| 送金額 | 手数料 | 為替レート | 実質コスト |
|---|
| 10万円 | 約200~500円 | 市場レート | 約200~500円 |
| 30万円 | 約500~1,000円 | 市場レート | 約500~1,000円 |
| 50万円 | 約800~1,500円 | 市場レート | 約800~1,500円 |
利用方法
- RC Walletアカウント作成
- 暗号資産を購入
- RC Walletへ送金
- フィリピンでデビットカードとして利用または現地で換金
3位: SBI Remit
総合評価: ★★★★☆
特徴
メリット:
- SBIグループの信頼性
- 手数料が安い
- オンラインで完結
- 日本語対応
デメリット:
手数料
| 送金額 | 手数料 |
|---|
| ~10,000円 | 480円 |
| ~30,000円 | 980円 |
| ~100,000円 | 1,400円 |
| 100,000円超 | 送金額の1.4% |
限度額
- 1回あたり: 10,000 USD相当額まで
- 30日間: 10,000 USD相当額まで、20回以内
- 12ヶ月間: 96,000 USD相当額まで
受取方法
- フィリピンの提携銀行口座
- Western Union提携店舗で現金受取
4位: Western Union
総合評価: ★★★☆☆
特徴
メリット:
- 世界中で利用可能
- 現金受取ができる
- 銀行口座不要
- 即日送金
デメリット:
手数料
送金額や受取方法により変動(1,000~3,000円程度)
利用シーン
- 受取人が銀行口座を持っていない
- 緊急で現金が必要
- 地方など銀行が少ないエリアへの送金
受取方法
- Western Union提携店舗(フィリピン全土に約20,000店舗)
- 銀行口座
- GCash
5位: 銀行送金(三菱UFJ、みずほ、三井住友など)
総合評価: ★★☆☆☆
特徴
メリット:
- 信頼性・安全性が最高
- 高額送金に対応
- 対面サポートあり
デメリット:
- 手数料が非常に高い(2,000~4,000円)
- 為替レートが悪い(隠れコスト大)
- 時間がかかる(2~5営業日)
- 窓口に行く必要がある場合も
実質コスト(10万円送金の場合)
- 送金手数料: 3,000円
- 為替上乗せ: 約3,000~5,000円
- 合計: 約6,000~8,000円
利用シーン
- 不動産購入など超高額送金(数百万円以上)
- 会社間取引
- 送金先が銀行口座指定の場合
6位: セブン銀行with BDO
総合評価: ★★★☆☆
特徴
メリット:
- セブン銀行ATMから送金可能
- BDO口座へ直接送金
- 365日送金可能
デメリット:
- 事前申込に2週間必要
- BDO口座限定
- 手数料がやや高め
手数料
限度額
- 1回: 50万円
- 1日・1ヶ月: 100万円
- 1年: 300万円
送金方法の選び方(シーン別)
シーン1: 定期的な生活費の送金(月10万円程度)
おすすめ: Wise
理由:
- 手数料が安い(約750円)
- 為替レートが良い
- オンラインで完結
- 定期送金設定も可能
年間コスト:
- Wise: 750円 × 12ヶ月 = 9,000円
- 銀行: 7,000円 × 12ヶ月 = 84,000円
- 差額: 75,000円の節約!
シーン2: 緊急で現金が必要
おすすめ: Western Union
理由:
- 即日送金・受取可能
- 現金受取ができる
- 銀行口座不要
ただし、コスト高めなので緊急時のみ推奨
シーン3: 高額送金(100万円以上)
おすすめ: Wise または 銀行送金
理由:
- Wise: 手数料率は低くなるが、安全性も考慮
- 銀行: 超高額(500万円以上)なら銀行の安心感も
100万円送金の場合:
- Wise: 約5,000円
- 銀行: 約10,000~15,000円
シーン4: 暗号資産に慣れている
おすすめ: RC Wallet
理由:
- 最も手数料が安い
- 為替レートが有利
- 24時間送金可能
注意: 暗号資産の価格変動リスクあり(ステーブルコインなら回避可能)
シーン5: 不動産購入資金(数百万円)
おすすめ: 銀行送金 または Wise
理由:
- 銀行: 信頼性・安全性が最高、対面サポート
- Wise: 手数料を抑えたい場合
重要: 大金の送金は複数回に分けるのも一つの方法
送金で損をしないための注意点
注意点1: 「隠れコスト」に騙されない
よくある罠:
- 「送金手数料無料!」と宣伝
- 実は為替レートに大きく上乗せ
- 実質コストは非常に高い
対策:
- ミッドマーケットレート(Google検索で確認)と比較
- Wiseのレートを基準にする
注意点2: 送金限度額を確認
サービスごとに限度額が異なる:
- Wise: 制限なし(ただし高額は要確認)
- SBI Remit: 1回10,000 USD、12ヶ月96,000 USD
- セブン銀行: 1年300万円
高額送金の場合は事前確認を
注意点3: 受取人情報の正確性
間違えやすい項目:
- 銀行名のスペル
- 支店名
- 口座番号
- 受取人名(パスポート通り)
ミスすると:
- 送金が遅れる
- 組み戻し手数料が発生(3,000~5,000円)
注意点4: 税務申告
日本:
- 年間100万円超の海外送金は税務署へ報告義務
- ただし、自分の口座間の移動は報告不要
フィリピン:
- 年間10,000 USD超の受取は申告必要な場合あり
税理士への相談を推奨
注意点5: 詐欺に注意
よくある詐欺:
- 偽のWiseやWestern Unionサイト
- 格安送金を謳う詐欺業者
- フィッシングメール
対策:
- 公式サイトのURLを確認
- 怪しいメールのリンクはクリックしない
- レビューを確認
送金以外で現金を得る方法
方法1: クレジットカードキャッシング
メリット:
デメリット:
- 利息が高い(年利15~18%)
- ATM手数料がかかる(1回200~250ペソ)
コスト例(10万円引き出し、30日後返済):
- 利息: 約1,200円
- ATM手数料: 約500円
- 合計: 約1,700円
おすすめシーン:
方法2: 国際キャッシュカード
メリット:
デメリット:
- ATM手数料が高い(1回200~250ペソ + 約3%)
コスト例(10万円引き出し):
- ATM手数料: 約500円
- 為替手数料(3%): 約3,000円
- 合計: 約3,500円
おすすめシーン:
よくある質問(FAQ)
- 一番安い送金方法は?
-
金額や状況によりますが、一般的にwiseが最安です。
理由:
- ミッドマーケットレート使用
- 手数料が明確で安い
- 隠れコストがない
ただし、暗号資産に慣れている方はRC Walletがさらに安い場合も。
- 銀行口座がない相手に送金はできますか?
-
A: はい、Western Unionなら可能です。
方法:
- Western Unionで送金
- 受取人は提携店舗で現金受取
- 銀行口座不要
- 送金にかかる時間は?
-
サービスによって異なります。
| サービス | 所要時間 |
|---|
| Wise | 数時間~1営業日 |
| Western Union | 即時~数時間 |
| SBI Remit | 即時~1営業日 |
| 銀行送金 | 2~5営業日 |
| RC Wallet | 即時~数時間 |
- フィリピンで日本円を受け取れますか?
-
いいえ、フィリピンペソまたはUSDで受け取ります。
為替レートは送金時に適用されます。
- 送金が失敗したらどうなりますか?
-
送金元に返金されます。
ただし:
- 組み戻し手数料が発生(3,000~5,000円)
- 時間がかかる(1~2週間)
対策:
まとめ
送金方法の選び方まとめ
- 定期送金(月10万円程度): → Wise(年間7.5万円節約可能)
- 緊急送金: → Western Union(即日対応)
- 高額送金(100万円以上): → Wise または 銀行送金
- 暗号資産に慣れている: → RC Wallet(最安)
- 銀行口座なし: → Western Union(現金受取)
年間コスト比較(月10万円× 12ヶ月送金の場合)
| サービス | 年間実質コスト | 節約額 |
|---|
| 銀行送金 | 約84,000円 | – |
| Western Union | 約60,000円 | 24,000円 |
| SBI Remit | 約17,000円 | 67,000円 |
| Wise | 約9,000円 | 75,000円 |
| RC Wallet | 約5,000円 | 79,000円 |
結論: Wiseを使えば、銀行送金と比べて年間約7.5万円も節約できます。
まずは試してみる:
- Wiseのアカウントを作成
- 少額(1万円程度)で試してみる
- 手数料と着金額を確認
- 慣れたら定期送金に切り替え
暗号資産も検討:
免責事項: この記事の情報は2025年11月時点のものです。送金手数料、為替レート、サービス内容は変更される可能性があります。実際に送金する際は、各サービスの最新情報をご確認ください。