海外移住を考える際、永住権の取得は重要なポイントです。国によって永住権取得の難易度や条件は大きく異なり、比較的簡単に取得できる国もあれば、長期間の居住や高額な投資が必要な国もあります。
この記事では、永住権が取りやすい国を世界ランキングとアジア圏ランキングの形式でご紹介します。各国の取得条件、人気の理由、メリット・デメリットを詳しく解説しますので、あなたに最適な移住先を見つける参考にしてください。
目次
永住権とは?取得するメリット
永住権とは、国籍を変えずに無期限でその国に滞在できる資格です。一般的なビザには滞在期限がありますが、永住権を取得すれば期間の制限なく滞在でき、出入国も自由になります。
永住権取得の主なメリット
安定した生活基盤の確立
ビザの更新や出入国の手続きが不要になり、安心して生活を送ることができます。定期的な更新の心配がなく、長期的な生活設計が可能になります。
就労の自由
永住権を持つことで、特定の企業や職種に縛られず、自由に就職活動が行えます。キャリアの選択肢が広がり、より良い条件の仕事を見つけやすくなります。
教育の機会
永住権を持つことで、その国の教育システムにアクセスできるようになります。多くの国では、永住権を持つ子どもは国内の公立学校に無料または低額で通うことができます。
医療・社会保障の利用
一部の国では、永住権を持つ人々も社会保障制度や医療保険サービスを利用できます。現地国民と同等の権利が得られることで、生活の質が向上します。
資産保有の容易さ
永住権を持てば、その国において不動産やビジネスを所有することが容易になります。これにより経済的自由度が増し、将来的な投資の機会も広がります。
永住権が取りやすい国【世界ランキングTOP10】
世界中で永住権が取得しやすい国をランキング形式でご紹介します。
1位:カナダ
取得条件
カナダは移民受け入れに積極的な国として知られ、「エクスプレス・エントリー(Express Entry)」というポイント制度を導入しています。年齢、学歴、職務経験、英語またはフランス語の能力などがポイント化され、高得点者が永住権申請に招待されます。
- エコノミック・クラス(経済移民)
- ファミリー・クラス(国際結婚など)
- フェデラルスキルドワーカー
- カナディアンエクスペリエンスクラス
人気の理由
多民族国家で移住者を受け入れる姿勢が整っており、豊かな自然環境や高い生活水準が魅力です。国土が広いわりに人口が少なく、労働力が足りないため移民の受け入れを積極的に行っています。
取得難易度: ★★☆☆☆(比較的容易)
2位:ポルトガル
取得条件
ゴールデンビザプログラムを利用するのが一般的です。特定の投資を行うことでビザを取得でき、5年後には永住権の申請が可能になります。
- 不動産投資:50万ユーロ以上
- 投資ファンド:50万ユーロ以上
- 資本移転:100万ユーロ以上
人気の理由
温暖な気候、美しい自然、豊かな歴史と文化に加え、他のヨーロッパ諸国と比べても生活コストが低く、治安が良いことも人気の理由です。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
3位:スペイン
取得条件
ゴールデンビザプログラムを利用した後、5年以上連続して滞在していることが証明できれば永住権を申請できます。
- 不動産投資:50万ユーロ以上
- 企業への投資:100万ユーロ以上
- 国債購入:200万ユーロ以上
人気の理由
他の西ヨーロッパ諸国と比較しても生活コストが低く、自然や文化的魅力が豊富です。ヨーロッパ内での移動がしやすく、観光やビジネスの拠点としても人気があります。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
4位:オランダ
取得条件
日本人申請者に対しては優遇措置が用意されており、「個人事業主(起業家)ビザ」が取得しやすいのが特徴です。
- 5年間連続でオランダに居住していること
- 長期的かつ十分な額の収入があること
- 市民統合テストの合格
人気の理由
1912年に結ばれた「日蘭通商航海条約」により、日本人申請者はビザを取得しやすい傾向があります。子供の幸福度世界一として知られ、高い生活水準を提供しています。
取得難易度: ★★☆☆☆(比較的容易)
5位:ニュージーランド
取得条件
永住権の申請はポイント制です。申請者の学歴や職歴、雇用のオファーなどで加点され、一定のポイントを超えると永住権の申請が可能となります。
- 技術移民部門
- 投資家部門
- 起業家部門
- リタイアメント部門
人気の理由
美しい自然環境、治安の良さ、英語圏であることから日本人にも人気の移住先です。永住権取得後は、デンマークとアイルランド以外のEU加盟国に滞在できるようになります。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
6位:オーストラリア
取得条件
技術移民プログラムが充実しており、ポイント制で永住権を取得できます。職種リストに載っている職業に就いていることや、英語力が求められます。
人気の理由
高い生活水準、安定した経済、優れた教育・医療システムが魅力です。多文化社会で移民を積極的に受け入れる姿勢があります。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
7位:ハンガリー
取得条件
3年以上ハンガリーに住んでいることが条件として挙げられます。ハンガリーはシェンゲン協定に加盟しているため、ビザなしで加盟国への移動ができる点も魅力です。
人気の理由
日本からの観光客も多く訪れ、比較的治安の良い国です。生活コストが低く、ヨーロッパの中心に位置しています。
取得難易度: ★★☆☆☆(比較的容易)
8位:ドバイ(アラブ首長国連邦)
取得条件
起業家ビザが人気で、審査が通りやすく、ビザ取得からエミレーツID(身分証)を発行するまでに1ヶ月程度しかかかりません。ただし永住権の取得はやや困難です。
人気の理由
税金面で優れており、所得税やキャピタルゲイン税がありません。ビジネスをしやすく、生活水準も高いです。
取得難易度: ★★★★☆(やや困難・永住権)
9位:マルタ
取得条件
投資プログラムを利用することで永住権を取得できます。不動産投資や国債購入が主な方法です。
人気の理由
EU加盟国であり、温暖な気候と美しい地中海の環境が魅力です。英語が公用語の一つなので、コミュニケーションも取りやすいです。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
10位:スウェーデン
取得条件
5年間の合法的な居住と、スウェーデン語の基礎知識が必要です。就労ビザからの切り替えが一般的なルートです。
人気の理由
高い社会保障制度、優れた教育システム、安全で環境が整っており、高い生活の質を提供しています。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
永住権が取りやすい国【アジア圏ランキングTOP5】
日本人にとってアクセスしやすく、文化的にも近いアジア圏で永住権が取得しやすい国をご紹介します。
1位:フィリピン
取得条件
フィリピンは東南アジアの中でも永住権が取得しやすい国として人気です。特別居住退職者ビザ(SRRV)が最も人気があります。
- SRRV:50歳以上が対象、フィリピンの銀行に2万USドルの預金
- 特別割当移住ビザ:年齢制限なし、投資額75,000USドル
- 特別投資家居住ビザ(SIRV):75,000USドルの投資
- 結婚用・永住移住ビザ:フィリピン人との結婚
人気の理由
物価が安く、日本から近く英語が通じる国であるため、コミュニケーションも取りやすい傾向にあります。約30~40日間の滞在で取得できる点も魅力です。
取得難易度: ★☆☆☆☆(非常に容易)
2位:マレーシア
取得条件
マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムを利用することで、実質的に永住できるビザとして人気です。
- プラチナティア:RM5,000,000(約1億5500万円)の定期預金
- ゴールドティア:RM2,000,000(約6200万円)の定期預金
- シルバーティア:RM500,000(約1550万円)の定期預金
- 年間60日間以上マレーシアに滞在する必要がある
人気の理由
多文化が共存する国で、英語が広く通じるためコミュニケーション面でも安心です。物価が安く、生活費を抑えながら快適に暮らせます。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
3位:タイ
取得条件
永住権取得は他国と比べ難易度は低いものの、1国あたり年間100人までと制限があります。
- 就労者カテゴリー:3年以上の労働許可証保持
- 投資家カテゴリー:1000万バーツ以上の投資
- 配偶者カテゴリー:タイ人との結婚
- 書類の提出や審査などで1~3年かかる場合がある
人気の理由
親日国として知られ、多くの日本人が暮らしています。日本人街があり、日本語の通じる病院や日本食レストランもあるため、日本人にとって過ごしやすい環境が整っています。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度・人数制限あり)
4位:韓国
取得条件
F-5ビザ(永住権)を取得するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 5年以上の合法的な滞在
- 一定額以上の所得または資産
- 韓国語能力試験の合格
人気の理由
ヨーロッパや北米と比べて文化圏的にも言語的にも類似していることがアドバンテージとして機能します。ポップカルチャーをきっかけに渡韓し、そのまま現地に移住する若者層が増えています。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
5位:台湾
取得条件
外国人が永住権(梅花カード)を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 連続して5年以上合法的に居住
- 年間183日以上の滞在
- 一定の所得または資産
人気の理由
親日国として知られ、日本統治時代の名残もあり日本文化に親しみを持つ人が多いです。治安が良く、医療水準も高いため、生活しやすい環境が整っています。
取得難易度: ★★★☆☆(中程度)
永住権取得の主な方法
永住権を取得する方法は、大きく分けて以下の5つがあります。
1. 就労を通じた取得
永住を目指す国で働き、数年間働いた後に永住権を取得する方法です。学生ビザで学校に通い、仕事を見つけて就労ビザを取得する方法や、はじめから海外駐在員として働き永住権を取得する機会を得ることができます。
2. 投資による取得
一定額の投資を行うことで永住権を取得する方法です。ゴールデンビザプログラムなどがこれに該当し、不動産投資や企業への投資が一般的です。
3. 結婚による取得
現地の人と国際結婚することで永住権を取得する方法です。多くの国では、現地の国民と結婚した外国人に対して、永住権や市民権を取得しやすくするという規定があります。
4. 起業による取得
起業家ビザや投資家ビザなど、現地で法人を持つことにより永住権を取得する方法もあります。初期費用が必要となりますが、ビジネスを通じて永住権を得ることができます。
5. 抽選による取得(アメリカのみ)
アメリカの「DVプログラム(抽選永住権)」は、年に1回、世界各国の応募者から抽選で永住権を発行する制度で、年間5万件の永住権が発行されています。
永住権取得時の注意点
承認が必ずしも保証されるわけではない
永住権の申請を行っても、必ず承認されるとは限りません。申請が認められなかった場合の代替手段を考えておくことも重要です。
各国の最新情報を常にチェック
申請を行う前には、移住先国の最新の法律や条件を確認することが必須です。情報は頻繁に変わるため、政府の公式サイトや信頼できる情報源を活用して、正確な情報を得ることを心掛けましょう。
言語能力の重要性
多くの国では、永住権取得の条件として一定の言語能力が求められます。英語や現地の言語ができた方が、移住時の仕事や交流、生活の幅が広がります。
経済的な準備
永住権取得には、投資額や預金額、安定した収入の証明が必要な場合が多いです。十分な資金を用意しておくことが重要です。
滞在日数の要件
多くの国では、永住権を維持するために年間一定日数の滞在が必要です。例えばオランダでは、1年のうち6か月は滞在していないと永住許可が失効する可能性があります。
まとめ
永住権が取りやすい国は、世界中に数多く存在します。カナダ、ポルトガル、スペイン、オランダなどのヨーロッパ・北米圏や、フィリピン、マレーシア、タイなどのアジア圏まで、それぞれに特徴があります。
世界ランキング上位の特徴
- カナダ:ポイント制で明確な取得基準
- ポルトガル・スペイン:投資プログラムが充実
- オランダ:日本人に優遇措置あり
アジア圏ランキング上位の特徴
- フィリピン:最も取得しやすく、短期間で取得可能
- マレーシア:長期滞在ビザで実質的に永住可能
- タイ:親日国で日本人が暮らしやすい
永住権を取得するには、各国の制度や条件を十分に理解し、自分のライフスタイルや将来のビジョンにフィットする国を選ぶことが大切です。この記事を参考に、あなたに最適な移住先を見つけて、新しい人生のスタートを切ってください。