「最後の秘境」と称されるパラワン島エルニドは、エメラルドグリーンの海と切り立った石灰岩の島々が織りなす絶景で世界中の旅行者を魅了しています。しかし、この美しい楽園への道のりは決して簡単ではありません。
エルニドには直行便が就航していないため、複数の移動手段を組み合わせる必要があります。マニラやセブを経由する航空ルート、プエルトプリンセサからの陸路、さらには船を使ったアイランドホッピングなど、様々な選択肢があります。
本記事では、2025年最新の交通情報をもとに、日本からエルニドまでの最適なアクセス方法を詳しく解説します。予算や時間、旅のスタイルに合わせて、あなたにぴったりのルートを見つけてください。
目次
エルニド基本情報
エルニドの位置・概要
項目 | 情報 |
---|---|
所在地 | フィリピン・パラワン州北部 |
人口 | 約45,000人 |
面積 | 923.26平方キロメートル |
気候 | 熱帯性気候(乾季:11月-4月、雨季:5月-10月) |
主な言語 | タガログ語、英語、現地語 |
エルニドの魅力
世界的な評価
- コンデナスト・トラベラー「世界最高の島」に選出
- トリップアドバイザー「世界のベストビーチ」上位常連
- UNESCO世界自然遺産候補地
主要観光スポット
- ビッグラグーン・スモールラグーン
- シークレットラグーン
- セブンコマンドビーチ
- ナクパンビーチ
- カドラオ島
アクセスルート全体図
主要なアクセスパターン
ルート | 経由地 | 総所要時間 | 費用目安 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
①マニラ経由(飛行機) | マニラ→エルニド | 8-12時間 | 80,000-150,000円 | ★★☆☆☆ |
②セブ経由(飛行機) | セブ→エルニド | 10-14時間 | 90,000-160,000円 | ★★☆☆☆ |
③プエルトプリンセサ経由 | マニラ→プエルト→エルニド | 10-15時間 | 70,000-120,000円 | ★★★☆☆ |
④コロン経由(船) | マニラ→コロン→エルニド | 15-20時間 | 60,000-100,000円 | ★★★★☆ |
日本からのアクセス詳細
ルート①:マニラ経由(最も一般的)
Step 1: 日本→マニラ
出発地 | 航空会社 | 飛行時間 | 頻度 | 料金目安 |
---|---|---|---|---|
成田 | フィリピン航空、ANA、JAL | 3時間30分 | 毎日複数便 | 50,000-120,000円 |
関西 | フィリピン航空、セブパシフィック | 3時間20分 | 毎日 | 45,000-110,000円 |
中部 | フィリピン航空 | 3時間40分 | 週4便 | 55,000-130,000円 |
福岡 | フィリピン航空 | 2時間50分 | 毎日 | 50,000-115,000円 |
Step 2: マニラ→エルニド
航空会社 | 飛行時間 | 便数 | 料金目安 | 機材 |
---|---|---|---|---|
エアスウィフト | 1時間15分 | 1日3-4便 | 15,000-25,000円 | ATR72 |
スカイジェット | 1時間20分 | 1日2-3便 | 12,000-22,000円 | BAE146 |
マニラでの乗り継ぎ
- 最短乗り継ぎ時間:3時間
- 推奨乗り継ぎ時間:4-6時間
- 注意点:国内線ターミナルへの移動が必要(30-60分)
ルート②:セブ経由
Step 1: 日本→セブ
出発地 | 航空会社 | 飛行時間 | 頻度 | 料金目安 |
---|---|---|---|---|
成田 | フィリピン航空、セブパシフィック | 3時間30分 | 毎日 | 55,000-125,000円 |
関西 | フィリピン航空、セブパシフィック | 3時間15分 | 毎日 | 50,000-120,000円 |
中部 | セブパシフィック | 3時間45分 | 週3便 | 60,000-135,000円 |
Step 2: セブ→エルニド
- 直行便なし
- セブ → マニラ → エルニド(追加2-3時間)
- またはセブ → プエルトプリンセサ → エルニド(陸路5-6時間)
ルート③:プエルトプリンセサ経由
航空便
- マニラ → プエルトプリンセサ:1時間30分
- セブ → プエルトプリンセサ:1時間45分
- 料金:8,000-18,000円
陸路(プエルトプリンセサ→エルニド)
交通手段 | 所要時間 | 料金 | 運行頻度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
バス | 5-6時間 | 800-1,200円 | 1日3-4便 | 最も安価、景色が楽しめる |
バン(ミニバス) | 4-5時間 | 1,200-1,800円 | 1日4-6便 | 快適、途中休憩あり |
専用車チャーター | 4-4.5時間 | 8,000-12,000円 | 随時 | 自由度高、荷物多い場合に最適 |
飛行機(小型機) | 45分 | 15,000-25,000円 | 1日1-2便 | 最速、天候に左右される |
各ルートの詳細比較
時間効率比較
最速ルート:マニラ経由(直行便利用)
- 日本出発 → エルニド到着:8-10時間
- 成田07:00出発 → エルニド15:00-17:00到着(現地時間)
バランス型:プエルトプリンセサ経由
- 日本出発 → エルニド到着:10-12時間
- 景色を楽しみながらの陸路移動
節約重視:プエルトプリンセサ経由(バス利用)
- 日本出発 → エルニド到着:12-15時間
- 最も安価だが移動時間は長い
費用比較(東京発の場合)
ルート | 航空券 | 国内移動 | 宿泊費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
マニラ直行 | 65,000円 | 20,000円 | 0円 | 85,000円 |
プエルト経由(バス) | 58,000円 | 1,000円 | 0円 | 59,000円 |
プエルト経由(バン) | 58,000円 | 1,500円 | 0円 | 59,500円 |
プエルト経由(チャーター) | 58,000円 | 10,000円 | 0円 | 68,000円 |
快適度比較
最も快適:マニラ直行便
- 乗り継ぎ1回のみ
- 移動時間最短
- 荷物の心配なし
バランス型:プエルトプリンセサ経由(バン)
- 陸路の景色を楽しめる
- 適度な休憩時間
- 現地の雰囲気を味わえる
予約のコツとベストシーズン
航空券予約のタイミング
ベストブッキング期間
- 出発の2-3ヶ月前:最も安い料金
- 出発の1ヶ月前:まだ割引料金あり
- 出発の2週間前:料金上昇傾向
料金が安い時期
- 5月-6月(雨季入り前)
- 9月-10月(台風シーズン後)
- 1月中旬-2月(観光オフシーズン)
料金が高い時期
- 12月-1月(年末年始)
- 3月-4月(卒業旅行シーズン)
- 7月-8月(夏休み)
おすすめ予約サイト
航空券比較サイト
- スカイスキャナー:世界的に有名、価格比較が容易
- エクスペディア:パッケージ割引あり
- 楽天トラベル:楽天ポイント利用可能
- HIS:日本語サポート充実
直接予約のメリット
- フィリピン航空:マニラ線の選択肢が豊富
- セブパシフィック:格安航空券、セール頻繁
- エアスウィフト:エルニド線専門
移動時の実践的なコツ
荷物の準備
機内持込推奨アイテム
- 貴重品・薬・着替え1日分
- 水(500ml、空港で購入)
- スナック類
- モバイルバッテリー
- 防寒着(機内・バス内のエアコン対策)
預け荷物の注意点
- 重量制限:国内線15-20kg
- 液体制限:100ml以下の容器
- 電池・充電器類:機内持込推奨
- ダイビング器材:事前確認必要
乗り継ぎ時の注意点
マニラ・ニノイアキノ国際空港
- ターミナル間移動:無料シャトルバス(20-30分間隔)
- WiFi:無料だが速度制限あり
- 両替:レートは空港内より市内が良い
- 食事:各ターミナルにレストラン多数
乗り継ぎ時間の有効活用
- 4時間以上:市内観光可能(イントラムロス等)
- 2-4時間:空港内でリラックス
- 2時間未満:移動のみに集中
陸路移動のコツ
バス・バンでの快適な過ごし方
- 座席:可能な限り前方を選択
- 服装:エアコン対策の上着必須
- 食事:途中の休憩所で購入可能
- トイレ:休憩時間を逃さず利用
道中の見どころ
- タボン洞窟群(考古学的遺跡)
- サンビセンテ(長大ビーチ)
- ロクサス(漁業の町)
- 熱帯雨林の景観
エルニド到着後の移動
エルニド空港からタウンまで
交通手段 | 所要時間 | 料金 | 運行時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
トライシクル | 30-45分 | 300-500円 | 24時間 | 最も一般的 |
バン(乗合) | 20-30分 | 150-250円 | 日中のみ | 安価だが待ち時間あり |
タクシー | 20-25分 | 800-1,200円 | 24時間 | 快適だが台数少ない |
ホテル送迎 | 20-30分 | 無料-500円 | 予約制 | 事前確認必要 |
タウン内の移動手段
主要な交通手段
- トライシクル:50-100円/回
- レンタルバイク:1日1,000-1,500円
- レンタル自転車:1日500-800円
- 徒歩:中心部は歩いて回れる範囲
各ビーチへのアクセス
ビーチ名 | タウンからの距離 | 交通手段 | 所要時間 | 料金 |
---|---|---|---|---|
エルニドビーチ | 市内 | 徒歩 | 5分 | 無料 |
ナクパンビーチ | 17km | バイク/車 | 30分 | 300-500円 |
ドゥリビーチ | 5km | バイク | 15分 | 200-300円 |
ラスカバナスビーチ | 8km | バイク | 20分 | 250-400円 |
季節別アクセス情報
乾季(11月-4月)のアクセス
おすすめ度:★★★★★
メリット
- 天候が安定、フライトキャンセル少ない
- 陸路の道路状況良好
- 海況良好、アイランドホッピング楽しめる
デメリット
- 観光客多い、料金高め
- 航空券・宿泊費が割高
- 予約が取りにくい
雨季(5月-10月)のアクセス
おすすめ度:★★★☆☆
メリット
- 航空券・宿泊費が安価
- 観光客が少ない
- 緑豊かな景色
デメリット
- 天候不安定、フライトキャンセルあり
- 陸路で道路冠水の可能性
- アクティビティ制限あり
台風シーズン(7月-9月)のアクセス
おすすめ度:★☆☆☆☆
リスク要因
- フライトの大幅遅延・キャンセル
- 陸路交通の寸断
- 宿泊施設の営業停止
対策
- 旅行保険加入必須
- 余裕をもったスケジュール
- 代替ルートの事前確認
トラブル対処法
よくあるトラブルと対策
フライトキャンセル・遅延
- 原因:悪天候、機材トラブル、空港混雑
- 対策:余裕をもった日程、旅行保険加入
- 代替案:他社便への振り替え、陸路への変更
荷物紛失
- 原因:乗り継ぎミス、空港システム不備
- 対策:貴重品の機内持込、荷物タグ写真撮影
- 対応:すぐに航空会社へ報告、追跡番号取得
陸路での車両トラブル
- 原因:道路状況、車両故障
- 対策:信頼できる会社選択、予備時間確保
- 対応:現地ガイド・運転手と連携
緊急時連絡先
重要な連絡先
- 在フィリピン日本総領事館:+63-2-551-5710
- 観光警察:117(エルニド)
- 救急車:911
- フィリピン航空:+63-2-855-8888
現地サポート
- エルニド観光案内所:+63-048-723-0570
- 主要ホテル:24時間フロントサービス
- 現地ツアーガイド:緊急時対応可能
おすすめモデルコース
3泊4日弾丸ツアー
Day 1
- 日本出発(朝便)→ マニラ経由 → エルニド着(夕方)
- ホテルチェックイン、タウン散策
Day 2
- アイランドホッピングツアーA(ビッグラグーン等)
- 夕日鑑賞
Day 3
- アイランドホッピングツアーC(秘密の海岸等)
- 夜便でマニラへ
Day 4
- マニラ早朝発 → 日本着(昼)
5泊6日満喫プラン
Day 1
- 日本出発 → マニラ経由 → エルニド着
Day 2-3
- アイランドホッピング2ツアー
- ビーチでリラックス
Day 4
- ナクパンビーチ・ドゥリビーチ巡り
- ローカル料理体験
Day 5
- 最後のアイランドホッピング
- お土産購入
Day 6
- エルニド出発 → 日本帰国
まとめ
パラワン島エルニドへの道のりは複雑ですが、適切な計画を立てることで快適にアクセスできます。最も一般的なのはマニラ経由の直行便ルートですが、予算を重視するならプエルトプリンセサ経由の陸路も魅力的な選択肢です。
重要なのは、旅行の目的、予算、時間に応じて最適なルートを選択することです。天候による影響も考慮に入れ、余裕をもったスケジュールを組むことをお勧めします。
この「最後の秘境」エルニドで待っている絶景は、多少の困難な道のりを経て辿り着く価値が十分にあります。しっかりと準備を整えて、忘れられない旅を楽しんでください。