日本の銀行金利は長らく超低水準が続いており、メガバンクの定期預金金利は0.275%程度です。一方、海外、特にアジア圏の銀行では定期預金金利が5%~10%を超える国も珍しくありません。
フィリピンの定期預金金利は日本の15倍ほど、マレーシアでは年利5%~7%、ベトナムでは4.7%程度と、日本では考えられない高金利を実現しています。1,000万円を預ければ、年間50万~100万円以上の利息を得られる国もあり、資産運用の選択肢として注目が高まっています。
本記事では、2026年3月現在の最新の情報をもとに、アジア圏を中心とした高金利の海外銀行を徹底解説します。国別金利ランキング、日本人が口座開設しやすい国、金利が高い理由、リスクと注意点まで、実用的な情報を網羅的にお届けします。
目次
アジア圏定期預金金利ランキング【2026年最新】
トップ10ランキング
| 順位 | 国名 | 定期預金金利 | 1,000万円預けた場合の年間利息 |
|---|
| 1位 | パキスタン | 15%~18% | 150万~180万円 |
| 2位 | トルコ | 12%~15% | 120万~150万円 |
| 3位 | バングラデシュ | 7.0%~9.5% | 70万~95万円 |
| 4位 | マレーシア | 5.0%~7.0% | 50万~70万円 |
| 5位 | インドネシア | 5.0%~6.5% | 50万~65万円 |
| 6位 | ベトナム | 4.7%~6.0% | 47万~60万円 |
| 7位 | インド | 5.0%~7.0% | 50万~70万円 |
| 8位 | フィリピン | 3.0%~5.0% | 30万~50万円 |
| 9位 | タイ | 2.5%~4.0% | 25万~40万円 |
| 10位 | 中国 | 2.0%~3.5% | 20万~35万円 |
※金利は2026年時点の目安、銀行・預入期間により変動 ※日本の定期預金金利:0.275%(メガバンク)→年間利息約2.7万円
日本人が口座開設しやすい国TOP5
1位:フィリピン
フィリピンの定期預金金利は日本の15倍ほどです。堅調なGDP成長率で経済が発展しているという特徴があり、今後、金利が上昇する可能性もあります
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 定期預金金利 | 3.0%~5.0% |
| 口座開設難易度 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
| 必要なビザ | SRRV(リタイアメントビザ)推奨、観光ビザでは困難 |
| 日本語対応 | 一部銀行にジャパンデスクあり |
| 主要銀行 | BDO、Metrobank、PNB |
おすすめポイント
- BDO、Metrobankにジャパンデスクがあり日本語対応可能
- PNBは日本に支店があり、日本国内で口座開設可能
- SRRV(リタイアメントビザ)取得で口座開設がスムーズ
- 英語が公用語で手続きしやすい
注意点
- 観光ビザでの口座開設は原則不可
- SRRV取得には2万ドル(50歳以上)または1万ドル(年金受給者)の預託金が必要
- 最低残高を下回ると毎月ペナルティ発生
2位:マレーシア
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 定期預金金利 | 5.0%~7.0% |
| 口座開設難易度 | ★★★☆☆(やや難しい) |
| 必要なビザ | MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)推奨 |
| 日本語対応 | 限定的 |
| 主要銀行 | Maybank、CIMB Bank、Public Bank |
おすすめポイント
- 金利が比較的高い(5%~7%)
- 政治的に安定している
- イスラム金融の仕組みもあり多様
- MM2H取得で長期滞在&口座開設が可能
注意点
- 2021年にMM2H取得条件が大幅に厳格化(約2,600万円の預金必要)
- 観光ビザでの口座開設はほぼ不可能
- 英語または中国語、マレー語が必要
3位:ベトナム
ベトナム国内最大手の五大銀行のひとつで、ベトナム全土に127の本支店、747箇所以上の営業所、1500台以上のATMを展開しているほか、ハノイやホーチミンにジャパンデスクを設置。2025年時点での1年定期預金の金利は4.7%程度でした
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 定期預金金利 | 4.7%~6.0% |
| 口座開設難易度 | ★★★★☆(難しい) |
| 必要なビザ | 長期滞在ビザまたは就労ビザ |
| 日本語対応 | Vietcombankにジャパンデスクあり |
| 主要銀行 | Vietcombank、BIDV、Vietinbank |
おすすめポイント
- Vietcombankにジャパンデスクがあり日本語対応
- 金利が比較的高い(4.7%程度)
- 経済成長率が高い
注意点
- 社会主義国特有のルールがある
- 資金の持ち出しが困難なケースがある
- ベトナムドン建ての場合、為替リスクが高い
- 国債金利は低下傾向で、銀行金利も下がる可能性
4位:タイ
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 定期預金金利 | 2.5%~4.0% |
| 口座開設難易度 | ★★★☆☆(普通) |
| 必要なビザ | 長期滞在ビザ、就労ビザ、リタイアメントビザ |
| 日本語対応 | 限定的 |
| 主要銀行 | Bangkok Bank、Kasikornbank、Siam Commercial Bank |
おすすめポイント
- 政治的に比較的安定
- 日本人の長期滞在者が多い
- リタイアメントビザ取得が比較的容易
- 銀行システムが整備されている
注意点
- 金利はアジアの中では中程度
- 観光ビザでの口座開設は困難
- 年間ビザ更新が必要
5位:シンガポール
基本情報
| 項目 | 詳細 |
| 定期預金金利 | 2.0%~3.5% |
| 口座開設難易度 | ★★★★★(非常に難しい) |
| 必要なビザ | 就労ビザまたは永住権 |
| 日本語対応 | 一部銀行であり |
| 主要銀行 | DBS、OCBC、UOB |
おすすめポイント
- 政治的に非常に安定
- 銀行システムが最先端
- 法制度が整備されている
- シンガポールドルは比較的安定
注意点
- 金利は高くない(2%~3.5%程度)
- 口座開設が非常に困難
- 最低預金額が高い(数百万円~)
- 観光ビザでの開設はほぼ不可能
金利が高い理由
1. インフレ率が高い
高金利国の多くはインフレ率が高く、現地の物価上昇に対応するため銀行金利も高く設定されています
インフレ率と金利の関係
| 国 | インフレ率 | 定期預金金利 |
|---|
| パキスタン | 25%~30% | 15%~18% |
| トルコ | 50%以上 | 12%~15% |
| ベトナム | 3%~4% | 4.7%~6% |
| 日本 | 2%~3% | 0.275% |
2. 経済成長率が高い
新興国は経済成長率が高く、企業の借入需要が旺盛です。そのため、銀行は高い金利で預金を集め、企業に融資する必要があります。
3. 通貨の価値が不安定
通貨価値が安定していない国では、預金者を引き留めるために高金利を提示する必要があります。
4. 銀行システムの発展途上
銀行システムが発展途上の国では、預金者を集めるために高金利を提示することがあります。
海外銀行口座開設のメリット・デメリット
メリット
1. 高金利による資産増加
海外の銀行は、日本の銀行よりも金利が高い傾向にあるのが特徴です。例えば1,000万円預けた場合、日本の金利では年間わずか2.7万円の利息しかつきませんが、海外では年間50万以上の利息を得られる国もあります。
2. 通貨分散によるリスクヘッジ
円だけでなく、ドル、ユーロ、現地通貨など複数の通貨で資産を持つことで、為替リスクを分散できます。
3. 比較的安全な資産運用
海外で口座を開設してしまえば、あとは預金をしておくだけで資産を増やせます。FXや株式投資は短期間で大きな利益を狙える一方でリスクも大きく、誰もができるものではありません。銀行預金であれば元金を失うリスクは低く、安全に資産を守れる可能性が高くなります。
デメリット・リスク
1. 為替変動リスク
海外の銀行口座での預金は比較的安全ではあるものの、為替レートの変動によって損益が発生するリスクを忘れてはいけません。例えば、出金時の為替レートが入金時よりも円高になっていると損益が発生します。
具体例
- 1ドル=125円の時に1,000万円をドル建て(8万ドル)で定期預金
- 金利1%、10年間預金で資産が8万8,370ドルに増加
- 1ドル=125円で変換:104万6,200円の利益
- 1ドル=110円で変換:27万9,300円の損失
2. 銀行破綻リスク
日本のように預金保険制度があれば、銀行破綻でも一定の資産額が保証されますが、そうした制度がない場合は数億円の資産でも一気にゼロになってしまうかもしれません
3. 税金
日本では、増加した預金額に対して一律20.315%の税金が課せられます。金利は高くても多額の税金を徴収され、思っているよりも資産が増えないケースも想定しておきましょう
4. 手数料
日本人が海外で銀行口座を開設する場合、最初に規定の入金額を入れたり、手数料がかかる場合があります。また、入出金の手数料もしっかりと確認しておきましょう
5. 資金の持ち出し制限
特に社会主義国(ベトナムなど)では、資金の持ち出しに制限がある場合があります。
口座開設の手順【フィリピンの例】
必要書類
| 書類 | 詳細 |
|---|
| パスポート | 有効期限6ヶ月以上 |
| ACR-Iカード | 外国人登録証(長期滞在ビザ保持者) |
| ビザ証明書 | SRRVなど |
| 初回預金 | 銀行により異なる(5,000~10,000ペソ) |
| 住所証明 | 公共料金明細、賃貸契約書など |
開設の流れ
- 長期滞在ビザ取得(SRRV等)
- 銀行選び(BDO、Metrobank、PNB等)
- 支店訪問
- 書類提出
- 初回預金
- 通帳・カード受け取り
注意点とリスク管理
1. 総合的な判断が必要
金利の高さだけで国を選ぶことには注意が必要です。例えば、政治的安定性、為替の変動リスク、銀行の信用度、送金の自由度、インフレ率なども総合的に検討する必要があります
2. 信頼できる銀行を選ぶ
信頼できる銀行や、預金保険制度のような制度を持っている国や海外銀行を選ぶことがポイントです
3. 実質利回りを計算する
表面上の金利が高くても、以下を考慮した実質利回りを計算しましょう。
- インフレ率
- 為替変動
- 税金(20.315%)
- 手数料
4. 分散投資を心がける
1つの国・1つの銀行に集中させず、複数の国・銀行に分散することでリスクを軽減できます。
よくある質問(FAQ)
- 海外銀行の金利は本当に安全ですか?
-
銀行預金は株やFXより安全ですが、銀行破綻リスク、為替リスク、送金制限などのリスクがあります。信頼できる銀行と預金保険制度のある国を選びましょう。
- 日本から海外銀行に送金できますか?
-
できます。海外送金サービス(Wise、SBIレミット等)を利用できますが、送金手数料がかかります。
- 税金はどうなりますか?
-
日本居住者は、海外銀行の利息に対しても日本で確定申告が必要です。20.315%の税金が課せられます。
- 観光ビザで口座開設できますか?
-
ほとんどの国で困難です。長期滞在ビザ、リタイアメントビザ、就労ビザが必要です。
- 金利が高い国ほどリスクも高いですか?
-
一般的にはそうです。高金利の背景にはインフレ、通貨不安、政治リスクなどがある場合が多いです。
- どの国が最もおすすめですか?
-
フィリピンは金利(3~5%)、口座開設のしやすさ、日本語対応のバランスが良くおすすめです。ただし、個人の状況により最適な国は異なります。
- 英語が話せなくても大丈夫ですか?
-
BDO(フィリピン)、Vietcombank(ベトナム)にはジャパンデスクがあり日本語対応可能です。また、PNB(フィリピン)は日本に支店があります。
- いくらから預金できますか?
-
国や銀行により異なりますが、最低預金額は1万~10万円程度からが一般的です。ただし、口座維持手数料を避けるためにはある程度まとまった金額が必要です。
まとめ
海外、特にアジア圏の銀行金利は日本と比較して圧倒的に高く、資産運用の選択肢として魅力的です。
金利ランキングまとめ
- パキスタン:15%~18%(年間150万~180万円)
- トルコ:12%~15%(年間120万~150万円)
- バングラデシュ:7.0%~9.5%(年間70万~95万円)
- マレーシア:5.0%~7.0%(年間50万~70万円)
- ベトナム:4.7%~6.0%(年間47万~60万円)
日本人が口座開設しやすい国
| 国 | 金利 | 開設難易度 | 日本語対応 |
|---|
| フィリピン | 3~5% | ★★☆☆☆ | ◎ |
| ベトナム | 4.7~6% | ★★★★☆ | ○ |
| マレーシア | 5~7% | ★★★☆☆ | △ |
| タイ | 2.5~4% | ★★★☆☆ | △ |
成功のポイント
- 総合的判断:金利だけでなく、政治安定性、為替リスク、送金自由度を考慮
- 信頼できる銀行:預金保険制度のある国、大手銀行を選ぶ
- 実質利回り計算:インフレ、為替、税金、手数料を加味
- 分散投資:複数の国・銀行に分散してリスク軽減
- 長期視点:短期的な為替変動に一喜一憂しない
海外銀行の高金利は魅力的ですが、リスクも存在します。本記事の情報を参考に、慎重に検討し、自分に合った資産運用を実現してください。