「老後は温暖な気候の海外で、ゆったりと過ごしたい」――そんな夢を持つ50代の方にとって、フィリピンは最も現実的な選択肢の一つです。日本から飛行機でわずか4~5時間、物価は日本の3分の1~5分の1、そして世界でも取得しやすいリタイアメントビザ(SRRV)が整備されています。
しかし、「実際の生活費はいくら必要なのか」「ビザの取得条件は」「医療や治安は大丈夫なのか」など、不安や疑問を抱える方も多いでしょう。
本記事では、2025年最新の情報をもとに、50代からのフィリピン移住を徹底解説します。SRRV(リタイアメントビザ)の取得方法、必要資金、生活費の内訳、おすすめ移住先、医療・治安情報、実際の移住者の声まで、実用的な情報を網羅的にお届けします。
この記事を読めば、フィリピン移住の全体像が明確になり、あなたの理想の老後生活を実現するための具体的なロードマップが描けるでしょう。
50代がフィリピン移住を選ぶ7つの理由
1. 世界トップクラスに取得しやすいリタイアメントビザ
フィリピンのSRRV(特別居住退職者ビザ)は、世界で最も取得しやすいリタイアメントビザの一つです。
他国との比較
| 国 | 最低年齢 | 預託金額 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フィリピン(SRRV) | 50歳 | 2万ドル(約290万円) | 預託金は解約時返金、不動産購入に転用可 |
| マレーシア(MM2H) | 制限なし | 約2,600万円 | 2021年に条件大幅厳格化 |
| タイ(リタイアメント) | 50歳 | 約320万円(年間収入の場合) | 年間ビザ更新必要 |
| インドネシア | 55歳 | 年間収入約200万円 | 年間ビザ更新必要 |
※2025年9月1日より、SRRVの申請可能年齢が50歳から40歳に引き下げられる予定ですが、本記事では50代を対象とした情報を中心に解説します。
2. 圧倒的な生活費の安さ
フィリピンの生活費は日本の3分の1~5分の1です。年金だけでゆとりある生活を送ることが可能です。
月額生活費の目安(1人暮らし)
| 項目 | 金額(ペソ) | 金額(円) |
|---|---|---|
| 家賃(1LDKコンドミニアム) | 15,000~30,000 | 39,000~78,000 |
| 食費 | 10,000~15,000 | 26,000~39,000 |
| 光熱費 | 3,000~5,000 | 7,800~13,000 |
| 通信費(ネット+携帯) | 2,000~3,000 | 5,200~7,800 |
| 交通費 | 2,000~5,000 | 5,200~13,000 |
| 雑費・娯楽 | 5,000~10,000 | 13,000~26,000 |
| 合計 | 37,000~68,000 | 96,200~176,800 |
年金生活でも月10万円以下で快適に暮らすことが可能です。
3. 年中温暖な気候
フィリピンは熱帯性気候で、年間平均気温は26~27℃。日本の寒い冬を避けて、1年中温暖な環境で過ごせます。
季節の特徴
| 季節 | 月 | 気温 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 乾季(ベストシーズン) | 12月~5月 | 25~32℃ | 雨が少なく快適 |
| 雨季 | 6月~11月 | 24~30℃ | スコールあり、台風の可能性 |
温暖な気候は日本の厳しい寒さを避けるため、関節痛や冷え性に悩む50代以降の方に特に人気です。
4. 英語が公用語
フィリピンは英語が公用語の国で、アジアの中でも英語普及率が非常に高い国です。英語が話せれば、日常生活で困ることはほとんどありません。
日本人にとってのメリット
- 病院、銀行、役所で英語対応可能
- 英語の勉強にもなる環境
- 欧米移住より言語ハードルが低い
5. 日本から近くアクセス良好
日本からのアクセス
- 飛行時間:成田・関空から4~5時間
- 時差:わずか1時間
- 直行便就航都市:マニラ、セブ、クラーク、ダバオ
緊急帰国が必要になった際も、日帰りが可能な距離です。
6. 日本人コミュニティの充実
フィリピンには約2万人以上の日本人が住んでおり、特にマニラ、セブ、ダバオには日本人コミュニティが形成されています。
日本人向けサービス
- 日本食レストラン(各都市に100店舗以上)
- 日本人医師のいるクリニック
- 日本人会・交流会
- 日本食材店
7. 家事サポートが安価
フィリピンではメイドやヤヤ(ベビーシッター)を月1万円程度で雇えるため、家事負担を大幅に軽減できます。
家事サポートの相場
- 住み込みメイド:月8,000~15,000ペソ(約21,000~39,000円)
- 通いメイド:月5,000~10,000ペソ(約13,000~26,000円)
- パート(週2~3回):日給500~800ペソ(約1,300~2,100円)
SRRV(リタイアメントビザ)完全ガイド
SRRVとは
SRRV(Special Resident Retiree’s Visa)は、フィリピン退職庁(PRA)が発行する特別居住退職者ビザで、50歳以上の外国人を対象とした永住権に近いビザです。
SRRVの主な特典
| 特典 | 詳細 |
|---|---|
| 無期限滞在 | 一度取得すれば期限なく滞在可能 |
| 自由な出入国 | 再入国許可不要で何度でも出入国可 |
| 家族帯同可 | 配偶者と21歳未満の子供を同伴可能 |
| 就労可能 | AEP(外国人雇用許可証)取得で就労可 |
| 免税特典 | 7,000ドル相当の家財道具を免税で持ち込み可 |
| 運転免許取得 | フィリピンの運転免許証取得が容易 |
SRRVの種類と条件
SRRVには複数の種類があり、現在日本人が主に取得できるのは「SRRV Classic」です。
SRRV Classic(クラシック)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象年齢 | 50歳以上 |
| 預託金額 | ・一般:20,000米ドル(約290万円)<br>・年金受給者(月800ドル以上):10,000米ドル(約145万円) |
| 申請料 | 1,400米ドル(約20万円) |
| 年会費 | 360米ドル(約5.3万円) |
| 預託金の用途 | ・PRA認定銀行口座に預託<br>・50,000ドル以上の不動産購入に転用可<br>・ビザ解約時に全額返金 |
SRRV Smile(スマイル)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象年齢 | 50歳以上 |
| 預託金額 | 20,000米ドル(約290万円) |
| 預託金の用途 | 銀行にロック(不動産転用不可) |
| 現状 | 2021年以降、Classicと条件が同じでメリットがないため、新規受付停止中 |
SRRV取得に必要な書類
日本で準備する書類
| 書類 | 詳細 | 注意点 |
|---|---|---|
| パスポート原本 | 有効期限60日以上 | コピーも複数枚用意 |
| 無犯罪証明書 | 都道府県警察本部で取得 | 発行後6ヶ月以内有効 |
| 無犯罪証明書の認証 | 外務省でアポスティーユ取得 | 英訳+公証人認証も必要 |
| 年金証書(年金受給者の場合) | 年金額が確認できる書類 | 月額800ドル以上の証明 |
フィリピンで準備する書類
| 書類 | 詳細 |
|---|---|
| 健康診断書 | PRA指定病院で受診 |
| フィリピン無犯罪証明書(NBI Clearance) | 現地で取得 |
| 預託金送金証明書 | PRA認定銀行への送金証明 |
| 証明写真 | 2×2インチ、複数枚 |
SRRV取得の流れ【ステップバイステップ】
ステップ1:日本で書類準備(1~2ヶ月)
- 無犯罪証明書を都道府県警察本部で申請
- 外務省でアポスティーユ取得
- 年金証書など必要書類のコピー作成
ステップ2:フィリピン渡航・現地書類準備(1~2週間)
- フィリピンへ渡航(観光ビザ30日で入国)
- PRA指定病院で健康診断受診
- NBI Clearance(フィリピン無犯罪証明書)取得
- 証明写真撮影
ステップ3:預託金の送金(数日~1週間)
- PRA認定銀行口座を開設
- 日本からUSドルで送金(20,000ドルまたは10,000ドル)
- 送金証明書を取得
ステップ4:PRA(フィリピン退職庁)へ申請(1~2週間)
- PRA本部または支所で申請書提出
- 書類審査・面接
- 申請料・年会費の支払い
ステップ5:ビザ発行・IDカード受領(2~4週間)
- ビザ承認通知
- SRRV ID カード発行
- ACR-I Card(外国人登録証)発行
取得期間の合計
- 日本での準備:1~2ヶ月
- フィリピン滞在:1.5~2ヶ月
- 合計:2.5~4ヶ月
SRRV取得費用の内訳
| 費用項目 | 金額(USD) | 金額(円) |
|---|---|---|
| 預託金(一般) | 20,000 | 2,900,000 |
| 申請料 | 1,400 | 203,000 |
| 年会費(初回) | 360 | 52,200 |
| 健康診断 | 約100 | 14,500 |
| NBI Clearance | 約30 | 4,350 |
| 各種手数料 | 約200 | 29,000 |
| 合計(預託金除く) | 約2,090 | 約303,000 |
※預託金はビザ解約時に返金されるため実質負担ではありません ※為替レート:1USD=145円で計算 ※代行業者利用の場合、サポート費用が別途10~20万円程度
フィリピンの主要移住先比較
1. マニラ首都圏(Metro Manila)
特徴
- フィリピンの首都、経済・政治の中心地
- 人口約1,400万人の大都市圏
- 日本人約8,000人在住
メリット
- 日本人向けサービスが最も充実
- 医療施設が最先端
- ビジネスチャンスが豊富
- 日本食レストラン200店舗以上
デメリット
- 交通渋滞が深刻
- 物価が他都市より高め
- 空気の質があまり良くない
おすすめエリア
| エリア | 特徴 | 家賃相場(1LDK) |
|---|---|---|
| マカティ | ビジネス街、高級エリア | 40,000~80,000ペソ |
| BGC(ボニファシオ) | 計画都市、治安良好 | 50,000~100,000ペソ |
| オルティガス | 日本人多数、利便性高い | 30,000~60,000ペソ |
| アラバン | 閑静な住宅地 | 35,000~70,000ペソ |
こんな方におすすめ
- 都会的な生活を求める方
- 医療・インフラ重視の方
- 日本人コミュニティを重視する方
2. セブ(Cebu)
特徴
- フィリピン第2の都市
- 人口約100万人
- 日本人約2,000人在住
- リゾートとビジネスが融合
メリット
- ビーチリゾートへのアクセス良好
- マニラより物価が安い
- 治安が比較的良好
- 日本から直行便あり
デメリット
- マニラより医療施設は少ない
- 大型ショッピングモールは限定的
おすすめエリア
| ITパーク | 特徴 | 家賃相場(1LDK) |
|---|---|---|
| ITパーク | ビジネス街、治安良好 | 25,000~50,000ペソ |
| アヤラモール周辺 | 利便性抜群 | 20,000~45,000ペソ |
| マクタン島 | リゾートエリア | 15,000~40,000ペソ |
こんな方におすすめ
- ビーチライフを楽しみたい方
- マリンスポーツが好きな方
- バランスの取れた生活を求める方
3. ダバオ(Davao)
特徴
- ミンダナオ島最大の都市
- 人口約180万人
- 日本人約300人在住
- 「フィリピンで最も治安が良い都市」
メリット
- 治安が非常に良い(ドゥテルテ元大統領の地元)
- 物価がマニラ・セブより安い
- 自然豊かで空気が綺麗
- 台風がほとんど来ない
デメリット
- 日本人コミュニティが小規模
- 日本からの直行便が少ない
- 娯楽施設が少ない
家賃相場
- 1LDKコンドミニアム:15,000~35,000ペソ
こんな方におすすめ
- 治安を最優先する方
- 静かな生活を求める方
- 自然が好きな方
4. クラーク(Clark)
特徴
- 元米軍基地の経済特別区
- 「リトル・カリフォルニア」の愛称
- 日本人約500人在住
メリット
- フィリピントップクラスの治安
- アメリカンな雰囲気
- 日本から直行便あり(成田・関空)
- ゴルフ場多数
デメリット
- ビーチから遠い(内陸)
- 日本人コミュニティは小規模
家賃相場
- 1LDKコンドミニアム:12,000~30,000ペソ
こんな方におすすめ
- ゴルフが好きな方
- アメリカンライフスタイルを好む方
- 治安重視の方
フィリピン移住の生活費シミュレーション
パターン1:節約型シンプル生活(月8万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(1ルーム、地方都市) | 15,000ペソ(39,000円) |
| 食費(自炊中心) | 8,000ペソ(20,800円) |
| 光熱費 | 3,000ペソ(7,800円) |
| 通信費 | 2,000ペソ(5,200円) |
| 交通費 | 2,000ペソ(5,200円) |
| 雑費 | 1,000ペソ(2,600円) |
| 合計 | 31,000ペソ(80,600円) |
生活スタイル
- 地方都市の小さめのコンドミニアム
- 自炊中心、外食は月数回
- 公共交通機関利用
- 娯楽は最小限
パターン2:標準的な快適生活(月13万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(1LDK、セブ市内) | 25,000ペソ(65,000円) |
| 食費(外食週3回) | 12,000ペソ(31,200円) |
| 光熱費 | 4,000ペソ(10,400円) |
| 通信費 | 2,500ペソ(6,500円) |
| 交通費(タクシー利用) | 4,000ペソ(10,400円) |
| メイド(週2回) | 3,000ペソ(7,800円) |
| 雑費・娯楽 | 2,500ペソ(6,500円) |
| 合計 | 50,000ペソ(130,000円) |
生活スタイル
- セブやダバオの標準的なコンドミニアム
- 外食と自炊を半々
- タクシーやGrab利用
- 週末に娯楽・外出
パターン3:ゆとりある豊かな生活(月20万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(2LDK、マニラBGC) | 50,000ペソ(130,000円) |
| 食費(外食多め、日本食も) | 18,000ペソ(46,800円) |
| 光熱費 | 5,000ペソ(13,000円) |
| 通信費 | 3,000ペソ(7,800円) |
| 交通費(Grab・タクシー) | 6,000ペソ(15,600円) |
| メイド(住み込み) | 10,000ペソ(26,000円) |
| 医療保険 | 5,000ペソ(13,000円) |
| 雑費・娯楽・旅行 | 10,000ペソ(26,000円) |
| 合計 | 77,000ペソ(200,200円) |
生活スタイル
- マニラ高級エリアの広々としたコンドミニアム
- 日本食レストランも含め外食中心
- 住み込みメイド雇用
- 月1回程度の国内旅行
医療・保険について
フィリピンの医療事情
医療水準
- マニラの大手私立病院は国際水準
- 日本人医師・日本語通訳がいる病院あり
- 地方都市でも基本的な医療は受けられる
主な日本人対応病院
| 病院名 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| マカティメディカルセンター | マニラ・マカティ | 日本人外来あり、通訳常駐 |
| セントルークス医療センター | マニラ・BGC | 最先端設備、ジャパンデスク |
| セブドクターズホスピタル | セブ | 日本語対応可能 |
| ダバオドクターズホスピタル | ダバオ | 英語対応、設備良好 |
医療費の目安
| 診療内容 | 費用 |
|---|---|
| 一般診察 | 500~1,500ペソ(1,300~3,900円) |
| 専門医診察 | 1,000~3,000ペソ(2,600~7,800円) |
| 血液検査 | 1,000~5,000ペソ(2,600~13,000円) |
| レントゲン | 500~2,000ペソ(1,300~5,200円) |
| CT・MRI | 5,000~15,000ペソ(13,000~39,000円) |
| 入院(1日) | 3,000~20,000ペソ(7,800~52,000円) |
海外医療保険
必要性
フィリピンの公的医療保険(PhilHealth)は外国人も加入可能ですが、カバー範囲が限定的です。民間の海外医療保険への加入を強く推奨します。
おすすめ保険
| 保険会社 | タイプ | 年間保険料 |
|---|---|---|
| 東京海上日動 | 海外旅行保険(長期) | 15~30万円 |
| AIG損保 | 海外旅行保険 | 12~25万円 |
| Pacific Cross | 現地医療保険 | 10~20万円 |
治安と安全対策
フィリピンの治安状況
都市別治安ランキング(相対評価)
| 都市 | 治安レベル | 評価 |
|---|---|---|
| ダバオ | ◎ | フィリピンで最も治安が良い |
| クラーク | ◎ | 経済特区で24時間警備 |
| セブ(市内) | ○ | エリアにより差あり |
| マニラ(BGC、マカティ) | ○ | 高級エリアは比較的安全 |
| マニラ(旧市街) | △ | 注意が必要 |
安全対策のポイント
基本的な注意事項
- 夜間の一人歩きを避ける
- 高額現金を持ち歩かない(1日分の生活費程度)
- スリ・ひったくりに注意(特に混雑した場所)
- 信頼できるタクシー・Grabを利用
- 貴重品は目立たないように
- 怪しい場所には近づかない
詐欺の手口と対策
| 詐欺タイプ | 手口 | 対策 |
|---|---|---|
| トランプ詐欺 | 親しげに話しかけ、賭博に誘う | 知らない人の誘いは断る |
| 両替詐欺 | 路上で有利なレートを提示 | 銀行・公認両替所のみ利用 |
| タクシーぼったくり | メーターを使わない | Grab利用、メーター確認 |
| 偽警官 | 警察を装いパスポートチェック | 本物か確認、交番へ移動提案 |
50代フィリピン移住の注意点
1. 年金の手続き
年金受給手続き
海外在住でも日本の年金を受給できますが、事前手続きが必要です。
必要な手続き
- 年金事務所で「年金の支払いを受ける者に関する事項」を届出
- 受取方法を選択(日本の銀行口座または海外送金)
- 海外在住の住所を届出
- 生存確認書類を毎年提出
年金受取方法の比較
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 日本の銀行口座 | 安全、為替リスク管理可 | 送金手数料が毎回発生 |
| 海外送金 | 直接受け取れる | 為替手数料が高い |
2. 住民票と税金
住民票を残す場合
- 国民健康保険の支払い義務継続
- 住民税の支払い義務継続
- 日本の医療サービス利用可
住民票を抜く場合
- 国民健康保険の支払い義務なし
- 住民税の支払い義務なし
- 日本の医療サービス利用不可
- 海外医療保険への加入必須
推奨
1年以上の長期移住の場合は、住民票を抜いて海外医療保険に加入する方が経済的です。
3. 言語の壁
英語レベル別対応
| 英語レベル | 生活への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 日常会話可能 | ほぼ問題なし | 専門用語を学習 |
| 簡単な会話のみ | 基本的な生活は可能 | 翻訳アプリ活用、英会話学習 |
| ほとんど話せない | やや困難 | 日本人コミュニティ頼り、通訳雇用 |
ただし、私はほとんど話せないレベルから移住生活をスタートしましたが、少しづつコミュニケーションを取れるようにしていき、今では特に支障ないレベルで生活ができています。(2025年11月現在でちょうど2年になりました)
おすすめの学習方法
- オンライン英会話(月5,000~10,000円)
- 現地の語学学校(マンツーマン1時間500~1,000ペソ)
- 言語交換パートナー探し
4. 文化・習慣の違い
フィリピン人の国民性
- ポジティブ:明るく楽観的
- フレンドリー:人懐っこく親切
- 時間にルーズ:「フィリピンタイム」は日本人がストレスを感じやすいポイント
- 家族重視:親戚付き合いが濃厚
日本人が戸惑いやすい点
- 時間感覚の違い:約束の時間に遅れるのが普通
- 品質へのこだわりの差:「まあいいか」で済ませる文化
- 騒音:音楽やカラオケの音が大きい
- ペットの扱い:犬を放し飼いにする家庭が多い
5. 孤独感への対処
孤独を感じやすい理由
- 日本の友人・家族と物理的に離れる
- 言葉の壁で深い人間関係が築きにくい
- 文化の違いによる疎外感
対策
- 日本人コミュニティに参加:日本人会、趣味のサークル
- オンラインで日本とつながる:LINE、Zoom、SNS
- 現地で趣味を持つ:ゴルフ、ダイビング、ボランティア
- 定期的な一時帰国:年1~2回の日本帰国
移住前にやるべき準備チェックリスト
6ヶ月前までにやること
- SRRVの条件・必要書類を確認
- フィリピンへ下見旅行(2週間以上推奨)
- 移住先候補都市を複数訪問
- 現地の生活費を実際に体験
- 日本の住居処分計画を立てる
- 家族に移住の意思を伝える
3ヶ月前までにやること
- 無犯罪証明書の取得開始
- アポスティーユ取得
- 年金事務所で海外受給手続きの相談
- 海外医療保険の比較・検討
- 日本の銀行・クレジットカードの海外利用確認
- フィリピンでの住居候補をリストアップ
1ヶ月前までにやること
- SRRV申請用の書類一式完成
- 航空券の手配
- 一時滞在先ホテルの予約(1~2ヶ月分)
- 海外医療保険の加入
- 日本の公共料金・契約の解約手続き
- 住民票を抜く場合は転出届提出
- 国際キャッシュカード・クレジットカード準備
渡航後すぐにやること
- SRRVの申請開始
- 健康診断受診(PRA指定病院)
- NBI Clearance取得
- PRA認定銀行で口座開設
- 預託金の送金手続き
- 長期滞在用の住居探し
- 携帯電話・インターネット契約
よくある質問(FAQ)
- 50代独身でも移住できますか?
-
可能です。SRRVは独身者でも取得できます。ただし、孤独感を感じやすいため、日本人コミュニティへの参加や趣味を持つことが重要です。
- 年金だけで生活できますか?
-
月額10~15万円の年金があれば、十分に生活可能です。ただし、医療費や一時帰国費用も考慮して、予備資金を持つことを推奨します。
- 英語が話せなくても大丈夫ですか?
-
日常生活は片言の英語でも何とかなりますが、病院や銀行での手続きは難しいかもしれません。日本人サポート会社や通訳を利用する選択肢もあります。
- 日本の運転免許証は使えますか?
-
観光ビザでは国際運転免許証で運転可能ですが、SRRVでは90日以内にフィリピンの運転免許証に切り替える必要があります。日本の免許証があれば実技試験なしで取得可能です。
- フィリピンで働けますか?
-
SRRVビザ保持者は、AEP(外国人雇用許可証)を取得すれば就労可能です。ただし、フィリピン人でもできる仕事は制限されます。
- 日本の医療保険は使えますか?
-
住民票を抜くと国民健康保険は使えなくなります。海外医療保険への加入が必須です。
- 一時帰国は自由にできますか?
-
SRRVは出入国自由なので、いつでも一時帰国できます。ただし、年会費支払いや定期報告を怠ると、ビザが失効する可能性があります。
- 治安は本当に大丈夫ですか?
-
適切なエリアを選び、基本的な安全対策を守れば、大きな問題はありません。ダバオ、クラーク、セブの高級エリア、マニラのBGC・マカティなどが安全です。
- 地震や台風は多いですか?
-
フィリピンは環太平洋火山帯に位置し、地震はありますが、日本ほど頻繁ではありません。台風は7~12月に多く、特に10~11月がピークです。ダバオは台風の影響が少ない地域です。
- 移住に失敗したら帰国できますか?
-
いつでも帰国可能です。SRRVの預託金も解約すれば返金されます(手数料等は戻りません)。まずは短期滞在で試してみることを強く推奨します。
まとめ
50代からのフィリピン移住は、適切な準備と心構えがあれば、充実したセカンドライフを実現できる魅力的な選択肢です。
フィリピン移住が成功する人の特徴
- 柔軟性がある:文化や習慣の違いを受け入れられる
- 基本的な英語力がある:日常会話レベルで十分
- 社交的:新しい人間関係を築ける
- 健康面に不安がない:基本的な健康状態が良好
- 経済的余裕がある:年金+予備資金500~1,000万円
- 前向き:新しい環境を楽しめる
移住成功のポイント
- 事前の下見は必須:最低2週間、できれば1~2ヶ月滞在
- 段階的に進める:いきなり永住ではなく、短期→中期→長期
- 日本との繋がりを保つ:完全に断絶しない
- 予備資金を確保:緊急時・病気・一時帰国用に500~1,000万円
- 医療保険は必須:ケチらず良質な保険に加入
- コミュニティに参加:孤立しないための努力
最後に
フィリピン移住は、すべての人に適しているわけではありません。日本の便利さ、正確さ、清潔さを失うことにもなります。しかし、温暖な気候、低コストな生活、フレンドリーな人々、ゆったりとした時間の流れは、50代以降のセカンドライフを豊かにする可能性を秘めています。
まずは1~2ヶ月の長期滞在で実際の生活を体験し、自分に合っているかを確認してください。そして、フィリピン移住があなたの人生の新たなステージとなることを願っています。

