フィリピンは世界でも有数の親日国であり、日本のアニメ文化が深く浸透している国の一つです。街を歩けばワンピースやナルトのキャラクターが描かれたジプニー(乗合バス)を見かけ、カラオケでは日本のアニメソングが定番曲として親しまれています。
フィリピンでの日本アニメの歴史は古く、1970年代から放送が開始されました。その当時放送された「ボルテスV」は子供に悪影響を与えるという理由で当時の大統領が放送禁止を宣言する程、絶大な人気があったそうです。
この記事では、フィリピンで特に人気の高い日本のアニメをランキング形式でご紹介します。なぜこれらのアニメがフィリピン人の心を掴んだのか、その理由と背景も詳しく解説していきます。
目次
フィリピンにおける日本アニメの歴史
テレビアニメ放送の始まり
フィリピンではテレビが一般家庭に普及してきた1970年代後半からテレビアニメ放送が始まった。最初のアニメーションは『トムとジェリー』などの米国製だった。
その後、メディア会社クエスターが『マジンガーZ』や『闘将ダイモス』など、70年代の日本のロボットアニメ5作品の放送権を買い取った。この中に「ボルテスV」も含まれていました。
アニメブームの到来
その後、「小公女セディ」「小公女セーラ」「セーラームーン」「らんま1/2」なども放送され、大ブームとなった。1990年代にはフィリピン語吹き替え版の日本アニメブームが到来し、多くの作品が現地の人々に親しまれるようになりました。
現代のアニメ文化
最近はNetflixなどの映像サブスクリプションがフィリピンでも広く普及されたことによって、色んな国の作品が見れるようになった。これにより、最新の日本アニメもほぼリアルタイムでフィリピンで視聴できる環境が整っています。
フィリピンで人気の日本アニメTOP15
1位:超電磁マシーンボルテスV
フィリピンの国民的アニメ
フィリピンでは1978年に放送を開始し、最高視聴率が58%という爆発的なヒットを記録した伝説的な作品です。日本では1970年代に放送されたロボットアニメの一つに過ぎませんが、フィリピンでは国民的アニメの地位を確立しています。
人気の理由
- ストーリーがほかのアニメと違い、家族の物語である点。フィリピンは家族を大事にする国なので、社会の価値観と親和性が高かった
- 当時フィリピンではいろいろな政権のゴタゴタが起きていたため、圧政に抗う気持ちや階級闘争、弾圧を受けている側が解放に向けて頑張るストーリーラインが視聴者の心を動かした
- 5台のマシンが合体して巨大ロボットになるという設定が注目され、玩具も大人気となった
主題歌の人気
ボルテスVの主題歌は殆どのフィリピン人が日本語で歌えるほどフィリピンで有名で、カラオケの定番曲となっています。「ボルテスV」の主題歌はカラオケのトップ10に常に入っており、この歌はフィリピン人にとって第二の国歌のようなものです。
放送禁止と再放送
カルト的人気作となったボルテスVだが、最後の4話を残したところでマルコス政府が放送中止を命令。戒厳令下で「帝国に対する抗戦」をテーマとする同作は政府に不都合だったとされています。1986年のエドゥサ革命後に再放送されると、さらに人気が爆発しました。
実写化の実現
2023年にはフィリピンで実写版『ボルテスV レガシー』が制作され、全90話のテレビシリーズとして放送されました。2024年には日本でも劇場公開され、大きな話題となりました。
2位:スラムダンク
バスケ大国フィリピンで絶大な人気
フィリピンで一番人気なスポーツといえばバスケットボールなので、スラムダンクは親しみやすく、フィリピン人男性だけではなく女性にも人気があります。
人気の理由
- フィリピンの国民的なスポーツ「バスケットボール」が描かれているという事もあり、大人達も魅了した
- 桜木花道のバスケに対する情熱や、チームメイトとの絆がフィリピンの視聴者に共感され、多くのバスケファンに支持されている
- 日本食レストランでは、いまだに「君が好きだーと叫びーたい!」とうたわれている
最新の映画版も上映され、現在でも根強い人気を誇っています。
3位:ワンピース
海洋国家フィリピンに響く海賊の冒険
日本だけでなく世界中でも圧倒的人気のアニメであるワンピースは、フィリピンでも大人気です。
人気の理由
- フィリピンの海洋文化とルフィたちの海賊の冒険がリンクし、共感を呼んでいる
- 友情や夢を追いかけるテーマが多くの人々に響いている
- ジプニーの車体デコレーションに描かれていたりもするほど身近な存在
1986年に設立した東映アニメーションフィリピンでは ワンピースのテレビアニメが作成されているそうです。
4位:NARUTO-ナルト-
忍者の世界に魅了されたフィリピン人
フィリピンで最も有名なアニメで、今現在、3つの放送局がタガログ語版・英語版・日本語版(英語字幕)の3種類のNARUTOを放送している程人気の高いアニメです。
人気の理由
- 忍者の少年、ナルトの成長と冒険を描いたこの作品は、子供から大人まで多くのファンを持っている
- 30~40代の年齢層からは圧倒的な人気があり、どの年代でも100%のフィリピン人がナルトのアニメを知っている
- 「NARUTO」という名前そのものが、日本のサムライ・忍者文化の代名詞となっている
5位:ドラゴンボール
世界共通の人気作品
フィリピンに限らず海外でも大人気のドラゴンボールは、フィリピンでも幅広い世代に愛されています。
人気の理由
- 20代~30代くらいの男性に人気で、日本ではもう少し上の世代なので、遅れて入ってきた感じがある
- 「かめはめ波」はほぼ全員が知っている必殺技
- 何度も再放送され、親子で楽しめる作品
6位:鬼滅の刃
最新の大ヒット作品
美しいアニメーション、感動的なストーリー、そして緊迫感あふれるバトルシーンがフィリピンの視聴者を引きつけている。
人気の理由
- 家族の絆や自己犠牲といったテーマが、フィリピンの文化と親和性が高く、感動を与えている
- フィリピンでもほぼ同時に入ってきていて、映画も公開された
- 若い世代を中心に爆発的な人気
7位:幽☆遊☆白書
Ghost Fighterとして親しまれる名作
フィリピンでは英語の名前である「Ghost fighter(ゴースト ファイター)」として有名です。
人気の理由
- 異世界のバトルやキャラクター同士の強い友情が、フィリピンの視聴者に響いている
- 子供の頃にこのアニメを見た世代が今も懐かしんで再視聴している
- 「キャラクターがカッコいい」「ストーリーが面白い」などの理由から人気
8位:進撃の巨人
Attack on Titanとして知られる人気作
日本では実写化されるほど大人気アニメである「進撃の巨人」は、フィリピンでも大人気アニメの一つで、内容は少し難しいために20代~の支持が圧倒的です。
人気の理由
- ダークでスリリングな物語展開がフィリピンの視聴者にも強く受け入れられている
- 巨人に立ち向かう人類の絶望的な状況や、戦いの中での心理的葛藤がリアルに描かれ、多くのファンを魅了している
9位:僕のヒーローアカデミア
ヒーロー物語の新定番
特に、若い視聴者にとって、デクが無力から強力なヒーローへと成長する過程は、自分自身の成長を目指す人々に共感されている。
人気の理由
- 派手なアクションシーンや個性豊かなキャラクターも魅力の一つ
- ヒーローとしての成長物語が若者に響く
- 最新作として継続的に人気
10位:名探偵コナン
推理アニメの代表格
コナンが毎回解き明かす謎やスリリングな事件が、視聴者を夢中にさせている。
人気の理由
- 何シーズンにも渡って展開される長寿アニメであるため、幅広い年齢層にわたってファン層が広がっている
- 推理もの好きのフィリピン人に人気
- 映画版も定期的に上映されている
11位:デスノート
知的なスリラーとして高評価
頭脳戦をテーマにした「デスノート」は、心理的スリルと緻密なプロットがフィリピンの視聴者に高く評価されている。
人気の理由
- ライトとLの知能戦や、善悪の境界を問うストーリーが、多くの人々の興味を引き、深い議論を生んでいる
- 知的な作品が好きなフィリピンの視聴者に特に人気
12位:ドラえもん
親子で楽しめる国民的アニメ
ドラえもんは世界中で有名で、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアなどでも現地語の吹き替え版がある。
人気の理由
- フィリピンのドラえもんは「Hopia(ホピア)」というお饅頭のようなものを食べているなど、現地化されている
- 親子で楽しめる内容
- 何度も再放送され、幅広い世代に親しまれている
13位:るろうに剣心
Samurai Xとして親しまれる時代劇
フィリピンでは英語の名前である「Samurai X(サムライエックス)」として有名です。
人気の理由
- 「るろうに剣心」の実写版が上映された際には、アジアプレミアがフィリピンで行われ、主要キャストや監督が訪れた
- 剣を持って戦うアニメが好きなフィリピン人に人気
- 時代劇の要素と現代的なストーリー展開
14位:セーラームーン
女性に絶大な人気
「セーラームーン」も放送され、大ブームとなった作品の一つです。
人気の理由
- 女性キャラクターが主人公の作品として人気
- 変身シーンや友情物語が女性視聴者に支持される
- 世界的に有名な作品として認知度が高い
15位:君の名は。
映画で大ヒットした最新作
フィリピンでも英語字幕が付いて公開されており、若者からはかなりの人気となった。20~30代のフィリピン人であれば知らない人はいない。
人気の理由
- 美しい映像と感動的なストーリー
- 日本の現代文化を知るきっかけになる
- 最新の日本アニメ映画の代表作
フィリピンでアニメが人気の理由
1. 文化的親和性
アニメの中に描かれるキャラクターたちの成長や冒険は、フィリピンの文化や価値観と共鳴する部分が多い。特に家族愛、友情、夢を追いかけるというテーマは、フィリピン人の価値観と一致します。
2. 吹き替えと字幕の充実
基本的に人気の日本のアニメは英語の吹き替えや字幕がある。なかにはフィリピン人の声優がタガログ語に吹き替えしたアニメもあるため、言語の壁が低く、幅広い層が楽しめます。
3. キャラクター名の現地化
タイトルが日本語の場合、「幽遊白書」は「Ghost Fighter(ゴーストファイター)」、「るろうに剣心」は「Samurai X(サムライエックス)」など、日本語のタイトルがそのまま英訳されていたり、かなり意訳されていたりする。
また、タイトルだけでなくキャラクター名も変更されていることが多いため、より親しみやすくなっています。
4. 繰り返しの再放送
フィリピンでは同じアニメが何度も再放送されるため、世代を超えて親しまれています。親子三代で同じアニメを楽しむことも珍しくありません。
5. アニメグッズの普及
フィリピンの各都市には数々の日本のアニメグッズショップがあるくらい日本のアニメは有名で人気となっている。こういったアニメショップでは上記で紹介した人気アニメ以外にも沢山のアニメグッズ(キーホルダー、Tシャツ、フィギュア)を揃えている。
フィリピンのアニメ文化の特徴
アニメイベントの盛況
フィリピンでは定期的にアニメコンベンションやフェスティバルが開催され、多くのファンが集まります。コスプレ文化も根付いており、日本のアニメキャラクターに扮したファンを街中で見かけることも珍しくありません。
カラオケ文化との融合
フィリピン人はカラオケが大好きです。日本のアニメソングは定番曲となっており、特にボルテスVやスラムダンクの主題歌は日本語で歌える人が多数います。
ジプニーアート
フィリピン名物のジプニー(乗合バス)には、しばしばアニメキャラクターが描かれています。ワンピース、ナルト、ドラゴンボールなどのキャラクターが車体を飾り、街の風景の一部となっています。
日本語学習のきっかけ
日本語を勉強する理由は、「日本で働きたい」がメジャーなフィリピンでも、そもそも日本に興味を持ったのも、そこで働きたい、と思わせた理由も、アニメや漫画が発端だったりする。
フィリピンのアニメ制作産業
世界的なアニメーションスタジオ
フィリピンのアニメーションスタジオがウォルト・ディズニー・スタジオやカートゥーンネットワークなどの制作パートナーとして、世界的なアニメーション産業でその名を轟かせている。
主な制作スタジオ:
- Toei Animation Philippines: 日本の東映アニメーションの関連会社
- Top Draw Animation: ハリウッド作品にも参加
- Rocketsheep Studio: フィリピン独自のアニメ制作
フィリピン産アニメ
フィリピンで制作されているローカルアニメの多くの作品はNetflixなどで配信されている。「Trese」や「Hayop Ka!」などがNetflixで配信され、国際的にも注目を集めています。
まとめ
フィリピンは世界でも有数の日本アニメファンが多い国です。1970年代のボルテスVから始まり、現在の鬼滅の刃まで、幅広い世代がそれぞれのアニメを楽しんでいます。
フィリピンで特に人気のアニメTOP5
- ボルテスV: 視聴率58%の国民的アニメ
- スラムダンク: バスケ大国ならではの人気
- ワンピース: 海洋国家に響く海賊の冒険
- NARUTO: 忍者文化への憧れ
- ドラゴンボール: 世界共通の人気作品
フィリピンでアニメが人気の理由
- 家族愛や友情というテーマの親和性
- 英語吹き替えやタガログ語吹き替えの充実
- 何度も繰り返される再放送
- アニメグッズの普及
- カラオケ文化との融合
フィリピンを訪れる際は、ぜひアニメの話題で現地の人とコミュニケーションを取ってみてください。好きなアニメについて語り合えば、すぐに打ち解けられるはずです。日本のアニメは、日本とフィリピンを繋ぐ大切な文化的架け橋となっています。